インタビュー

五十宮倫子役 小芝風花さん

『大奥』への出演が決まったときの感想は?
「『大奥』に携わることができるのが率直にうれしかったです。京都でオールロケなので、どっぷり大奥の世界に浸れるんだろうなと思いました。今作の台本を読ませていただいて、もちろん妬みや足の引っ張り合いもありますが、一人一人のキャラクターの思いや、なぜそういう行動をしているのかが丁寧に描かれています。人物像がはっきりしているからこそ、より愛をテーマにした切ない『大奥』ということが伝わりました。新しい『大奥』をお届けできるのではないかとワクワクしています」
今回は座長としての時代劇出演になります。
「時代劇だからといって特に意識せず、演者やスタッフの皆さんと楽しくいい作品を作れるようにしたいです。『大奥』は女性だらけで、作品上はすごくギスギスしていますが(笑)、裏ではそのギスギスは関係なく、皆さんと相談しながら作っていけたらいいなと思っています」
『大奥』はこれまで何度も映像化されてきた作品ですが、プレッシャーは感じますか?
「プレッシャーはとても感じていますし、今までの作品を全部見ようかな、とも思いました。でも、今回は今集まっているスタッフさん、共演者の皆さんとこのチームだからこそできる新しい『大奥』を作るので、過去の作品を見ることで変に意識してしまうのももったいないと思いました。とはいえ、過去の作品を全く意識しないのは無理なので、あまり気にせず(笑)。今回は『大奥』という大きなタイトルではありますが、このチームでしか作れない作品にしたいです」
倫子はどのようなキャラクターですか?
「倫子は本当に強い人です。『大奥』で足の引っ張り合いがある中で、自分は染まらないという意志を強く持っています。意地悪をされても『大奥』で暮らす女性たちが生きやすくするにはどうしたらいいのだろう?と、考えられる女性です。その真っすぐさが他の人にとっては余計に腹立たしく、意地悪のターゲットにされてしまいます。それでも倫子がぶれないからこそ、家治(亀梨和也)が真っ直ぐに向き合ってくれるんだと思っています。そんな家治に対する倫子の表情の変化も大事に作っていきたいです」
時代劇に出演することの難しさはありますか?
「時代劇は非現実と現実の狭間(はざま)のような感じがしています。人の感情や、起こる出来事は現代とあまり変わらないものもありますが、やはり扮装(ふんそう)や言葉遣いは全く違います。また、今では当たり前のようにできる仕草、例えば手を振ったり、拍手することが昔はなかったので、そういうちょっとしたところで、どう演じたらいいのか分からなくなってしまうこともあります。建物も今とは全然違うので、時代劇を見たことがないような若い世代の方たちが見ると、難しそうと思われてしまう非現実感もあるかもしれません。でも、恋心や嫉妬心、世間で起こっていることは現代と変わらないんです。それが、非現実と現実として難しいですし、面白いところだと思います」
実際に倫子の衣装を着てみて、いかがでしたか?
「倫子はお姫様なので、打ち掛け一つにしてもお布団をかぶっているように分厚いし、袖を持つのも腕が筋肉痛になるぐらい重いです(笑)。カツラも飾りをたくさんつけるので、それだけで 重くて。ちょうど今、別の時代劇にもお姫様ではない役で出演しているので、同じ時代劇でも演じる人物によってこんなに装いが違うのかと思いました。倫子は公家の生まれなのですが、衣装さんが公家らしい柄を選んでくださって、衣装さんのこだわりを感じました」
京都でのオールロケということで、楽しみにしていることはありますか?
「御朱印帳を買いました。撮影がお休みの日には神社などに行ってみたいです。たくさんまわれたらうれしいです」
亀梨和也さんとは二度目の共演となります。
「亀梨さんは今回が時代劇初挑戦と伺いました。演じられる家治は誰にも言えない秘密を抱えていて葛藤している役になります。その苦悩している姿や、倫子と出会ってからの心情の変化をどんな風に演じてくださるのかなと、とても楽しみです」
最後に見どころをお願いします。
「今回の『大奥』は一人一人の人物像がしっかりと描かれています。最初はいじわるだな、と感じる人も、徐々に過去の経緯や胸に秘める思いが明らかになっていきます。ドラマを見続けているうちに“こうするしかなかったんだ”と感情移入できたり、ドロドロしているだけではない物語になっていて、そうなってしまった理由も描かれる台本に愛を感じています。どの登場人物も根底には愛があって、それが別の方向にいってしまったりするのですが、そんないろいろな“愛”を楽しんでいただけたらうれしいです」

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