あなたは「ラーメン二郎」というお店を知っていますか?
店の創業は1968年。目黒区の都立大学駅の近くに店を構え、70年代に入り港区三田の慶應義塾大学のすぐ近くへと移転。それ以来、慶應生のソウルフードとして愛されると同時に、その唯一無二の味は多くの人を魅了し続けている。支店も次々と増え、今や都内を中心に42店舗のお店が存在。その全てのお店が連日大行列を作るなど、「ラーメン二郎」は50年以上に渡り絶大な人気を誇る、いわばラーメン界の一大カリスマ店である。
凝縮された豚の旨味と香味野菜が織りなす、芳醇(ほうじゅん)かつ濃厚なスープ。それに負けない、力強くてしなやかな自家製の極太麺。まるで豚の塊のような、分厚くてホロホロのチャーシュー。そして、希望すれば、無料で山盛りのニンニクと野菜が増される。味も見た目も強烈なインパクトを放つラーメン。そのパワフルな一杯は、「二郎はラーメンではない。二郎という食べ物である」「三回食べると抜け出せなくなる」など、独特な格言めいた言葉と共に、「ジロリアン」と呼ばれる数多くの中毒者を輩出。その人気はラーメン界にとどまらず、芸能人、スポーツ選手、政治家など、各界にファンを公言する者も多く、もはや社会現象となっている。
そんな「ラーメン二郎」の大きな特徴の一つが、徹底的に「取材拒否」を貫いていること。これだけの人気を誇りながらも、「ラーメン二郎」は多くの部分がベールに包まれ謎に満ちている。
今回、「ラーメン二郎」の創業者であり、“総帥”という呼び名でファンからも愛され続けている山田拓美氏が、2019年2月に慶應義塾大学から特選塾員に選任されたことを記念し、山田氏の人柄と功績を形に残すことを目的として、特別に番組が制作されることとなった。よって、「ラーメン二郎」は、今後も取材については従来通りお断りするという。
「ラーメン二郎」を一代で築き上げ、今なお店に立ち続ける“生ける伝説”山田氏が、今回初めてカメラの前で重い口を開く。番組では、山田氏に対して5時間以上に及ぶインタビューを敢行。
現在79歳となる山田氏の口から語られるその人生は波瀾(はらん)万丈で、まるで一つのドラマを見ているかのような錯覚に陥る。料理人の道を目指すも挫折。その後ラーメン店を始めるも、これまたうまくいかず。あきらめて店を畳もうと思ったその日に、一人のお客さんの言葉に奮起した山田氏は、今の「ラーメン二郎」の原型となる一杯を作り上げた。今でも強烈なインパクトを放つラーメンを、50年以上も前に山田氏はどうやって生み出したのか?その秘密に迫る。
その他にも、スープ、麺、豚など、ラーメンに関する細かいこだわりについて、山田氏が直接語るシーンや、今や40人を超える各支店の弟子たち、ひととき共にお店に立っていた妻、そして二代目としてお店を継ぐ息子への思いを吐露する様子など、二郎ファン、ラーメンファン垂ぜんの大変貴重な映像が惜しみなく紡がれる。
山田氏のインタビュー以外にも、「ラーメン二郎」三田本店の仕込みから片付けまで、営業の様子に丸一日密着。また弟子や妻へのインタビューや、常連客と山田氏の交流など、あらゆる角度から「ラーメン二郎」に迫ることで、その魅力やこれまでベールに包まれていた秘密を明らかにする。
さらに、2020年2月に行われた山田氏の喜寿を祝うパーティーの様子も撮影。このパーティーは、山田氏の喜寿を祝うと共に、特選塾員に選ばれたことも祝うために開かれたもので、慶應義塾大学と「ラーメン二郎」、それぞれの関係者が何と1000名近くも駆け付ける事態となった。そんな伝説のパーティーの貴重な映像も今回初公開となる。
「ラーメン二郎」、そして山田拓美氏の全てが詰まった1時間となっている。これを見れば、なぜ人がみな「ラーメン二郎」に魅了されるのかが分かるはずである。そして、まだ食べたことがないというあなたも、きっと「ラーメン二郎」に並んでしまうことだろう。
これは、知られざる「ラーメン二郎」の実像に迫る、大変貴重なドキュメントである。
■出演者 | 山田拓美 他 |
■音楽 | South Penguin |
スタッフ | 編成企画:春名剛生 企画:坂井公祐 構成:酒井健作 演出:住田崇 企画プロデュース:赤池洋文 |
■制作協力 | sukima |
■制作・著作 | フジテレビ |