「あなたにとってセックスって何ですか?」
- 無くてもいいもの。
- USBを差し込んでデータを交換してる感じ。
- 知り合ったその日にセックスして、1回でバイバイ…みたいなことはしたくない。
10代~20代の若者からは、そんな答えが返ってきた。
日本ではセックスしない若者が増えていると言われているが、確かに、彼らの答えはセックスに対して“淡泊”という印象だ。
インターネットの普及が一対一の生身のコミュニケーションを難しくしたから、“究極の生身のコミュニケーション”であるセックスにも、あまり興味を持てなくなったのだろうか。
クラブDJとして活躍している大学生(21歳・男)は、女友達と息の合ったDJプレイを見せる。
その女友達とは、あくまでも気の合う仲間で、セックスの対象ではないという。
「僕にとってのオルガズムは、一対一よりも、何百っていう人を音楽で動かしている時」だと。
求めているのは、セックスの“快感”よりも、多くの人との“共感”のようだ。
一方、セックスについて「やりたい!」と明るく答える脳性麻痺の男性がいる。
また、障害を持っている人たちの個人旅行をサポートする仕事に就いている人や、障害者対応派遣型ファッションヘルスで働いている人たちのインタビューから、障害を持っている人たちの「セックス」への関心の高さが伺える。
年に一回だけの“障害を持っている人同士の男女の出逢いパーティ”を心待ちにしている人たちもいた。
障害を持っている人たちが、機会は少ないながらも、セックスや恋愛を“生き甲斐”にしている様が見えてくる。
筋ジストロフィーの女性作家のヌード写真集を企画・製作している、脳性麻痺の男性がいる。
彼は「障害を持っている人には“性欲がない”と誤解されているのではないか?」という思いから、普段も様々な“障害者の「性」に関する啓発や情報発信”を行っているのだが、その姿勢は実に軽やか。
「何よりエロは平等であるべきだからね」そんな言葉がしっくりくる。
人が“気持ちいいこと”を求める純粋な欲求…それが当たり前に満たされる明日を。
そう願っている。
語りは、リリー・フランキー。(※なお、リリー・フランキーは、ヌード写真集の撮影も担当している。)
■語り | リリー・フランキー |
■構成・演出 | 佐々木誠 |
■撮影 | 山内大堂 |
■プロデューサー | 長坂淳子 |
■制作 | フジテレビ |
■制作著作 | 大映テレビ株式会社 |