NONFIX過去放送した番組



今年は「国際ゴリラ年」だが、2年前の2007年7月、コンゴ民主共和国・ビルンガ国立公園で2ヶ月の間に7頭ものゴリラが虐殺され世界中に衝撃が走った。
誰がいったい何のために絶滅危惧種に指定されているゴリラを殺害したのか。

ビルンガ国立公園は1925年に創設されたアフリカ大陸最古の国立公園で1979年には世界遺産に登録されている。しかし1994年隣国ルワンダで起きた大虐殺、2003年まで続いたコンゴ内戦などの影響で深刻な自然破壊が進んでいる。そして今も約80万ヘクタールにも及ぶジャングルの中に潜む敵対する武装組織やコンゴ政府軍による内戦が起きており公園内には数万人もの重武装の兵士が潜んでいる。
その武装勢力の一つは、ルワンダ大虐殺以降、コンゴに逃げてきている虐殺を主導したフツ族民兵と元ルワンダ軍兵士で結成した「ルワンダ開放民主勢力」。彼らは金やスズなど鉱物資源を強制労働で採掘し木炭生産のためジャングルの木々をも伐採、それらで得た資金で軍備を強化している。

また彼らはコンゴ内でもツチ族を襲撃するようになったためコンゴ領内のツチ族による武装組織も生まれている。さらに公園周辺には内戦による殺戮から逃れてきた人たちの大規模な避難民キャンプがいくつもありかろうじて生き延びている人たちであふれかえっている。こうした状況で自然破壊は急速に進みそのなかでゴリラは殺害されたのだ。

アフリカで最も資源豊な国であるがゆえに渦巻く欲望の中で起きる利権争いと乱開発。今も秘境といわれ大自然の残るコンゴの密林、その闇の奥深くで今何が起きているのか。番組ではその真実を追う。