昨年11月、大阪・淀川河川敷で行われた市民マラソン大会で、42.195キロのフルマラソンを完走する13人のスーパー幼稚園児たちがいた。
降りしきる雨の中、親たちの声援を受け、走り出す。「がんばれ」「あとちょっと」。5キロごとに父母たちが用意した給水ポイントで飲み物やバナナなどを口にしながら5~10分休憩。そして再び走り出す…
大好きな鉄村和夫園長(69)の後を泣きながら、笑いながら一歩一歩。
大阪・四条畷市にある星子幼稚園。
ここでは決して“イマドキ”でない教育方針が、ガンコ園長の下、徹底して貫かれている。
泥だらけで走り回る子供・地域全体で子供を育てる大人の責任、「先生」が子供に伝えるべきこと…
「いじめ」「お受験」「ひきこもり」「子どもたちの体力低下」様々な問題がつきない教育現場…
そんな中、周囲の逆風を受けながら、独特の教育哲学を実践する園長と伸び伸びとフルマラソンを完走する園児たちに、1年間密着取材。
「学力偏重」「知的教育」に異議を唱える幼稚園の姿を通して、我々が失いかけている「大切なもの」を見つめ直す。