2006年7月20日(木) 02:28~03:28 放送(2006年7月19日(水) 26:28~27:28 放送)
21世紀の日本社会に合った司法制度とはどのようなものなのか?
現代の科挙といわれていた司法試験は生まれ変わりをはかり、法科大学院の第一期修了生が今年5月に新司法試験に挑戦。司法サービスの拠点となる日本司法支援センターは今秋、動き出す。国民が刑事裁判の審理に参加する裁判員制度の実施は3年後に迫る。凶悪犯罪抑止力か人権保護か? 頻発する凶悪事件を巡り、死刑制度の是非について議論は続いている。戦後施行されてきた司法制度も時代にあった変容を求められている。『NONFIX』では現代の司法をディレクター独自の視点で考察し、シリーズでお届けします。
刑事裁判の審理に一般市民が参加する裁判員制度が、2009年5月までに導入される。
原則としてくじびきで選ばれた6人の裁判員と職業裁判官3人で構成され、有罪・無罪や有罪の場合はどの程度の刑にすべきか(量刑)を多数決で決める。
対象となるのは殺人や放火、強盗傷害などの重大事件で年間約3,000件の見通し。
しかし、内閣府による世論調査(平成17年度2月)によると、
参加したくない … 70%
その理由は
人を裁くということをしたくない … 46.5%
「人を裁く」ということに伴う責任の重さ…。
「判決」に一般市民の感覚を取り入れるという主旨のもとに動き出した裁判員制度ではあるが、本当に実態が伴うのだろうか? 「裁判」の重要性・注目度が増してきている中、一般の人が報道されている「判決」に疑問を抱くようになっているのも事実だ。「人を裁くということをしたくない」と逃げ腰なわたしたちが人を裁くということに対峙できるのか。
番組では、実際に現場の裁判官、検察官、弁護士、被害者、加害者、全ての関係者にあたり、現実にある個別ケースの判決にいたった経緯、事情を取材することで、現実に「人を裁く」ということがどういうことなのか。そこからみえてくる現状の矛盾点・問題点をあぶりだす。さらに、そのケースに裁判員制度を導入すると、判決が変わるのかどうか、実際に模擬裁判を番組で行う。
今、裁判員制度が導入される意味とわたしたちが追う責任を検証する。