2006年7月13日(木) 02:33~03:33 放送(2006年7月12日(水) 26:33~27:33 放送)
21世紀の日本社会に合った司法制度とはどのようなものなのか?
現代の科挙といわれていた司法試験は生まれ変わりをはかり、法科大学院の第一期修了生が今年5月に新司法試験に挑戦。司法サービスの拠点となる日本司法支援センターは今秋、動き出す。国民が刑事裁判の審理に参加する裁判員制度の実施は3年後に迫る。凶悪犯罪抑止力か人権保護か? 頻発する凶悪事件を巡り、死刑制度の是非について議論は続いている。戦後施行されてきた司法制度も時代にあった変容を求められている。『NONFIX』では現代の司法をディレクター独自の視点で考察し、シリーズでお届けします。
361人処刑した電気椅子
世界は今、死刑廃止の潮流にある。先進国中、死刑制度を存置している国は日本とアメリカだけ。そのアメリカも50州中23州が法律上、又は事実上、死刑を廃止している。一方で、日本人の世論調査では、8割が死刑に賛成している。
その理由として、“法の甘さ”や“確立されていない被害者支援”などが挙げられるとみる専門家も多い。
死刑廃止のデモ
毎年秋、アメリカでは非常に珍しいイベントが開催されている。“Journey of Hope”(希望への旅)と名付けられたこのイベントは、犯罪被害者の家族と加害者の家族が17日間寝食を共にしながら死刑廃止を訴えていくというものだ。被害者側と加害者側、全く相反する立場の彼らがどのような心の交流を持つのか? そして、なぜ、犯人を許せるようになったのか? その謎を追求していく。
死刑廃止を訴える講演会
併せて、国内でも被害者遺族による“日本の死刑制度”に対する思いを取材、刑法が懲罰のためにあるといわれるアメリカと、加害者の更正のためにあるといわれる日本、この二つの国の背景の違いを浮き彫りにしながら、“日本の死刑制度の在り方”を考えていく。
2009年までに、日本では重大な刑事裁判の審理に国民が参加する“裁判員制度”が導入される。近い将来、あなたも犯罪者を裁く日が来るかもしれない。その時、あなたは、犯罪者にどのような判決を下すだろうか?