2006年7月6日(木) 02:28~03:28 放送(2006年7月5日(水) 26:28~27:28 放送)
【再】2007年6月28日 (木) 02:38~03:38 放送(2007年6月27日(水) 26:38~27:38 放送)
21世紀の日本社会に合った司法制度とはどのようなものなのか?
現代の科挙といわれていた司法試験は生まれ変わりをはかり、法科大学院の第一期修了生が今年5月に新司法試験に挑戦。司法サービスの拠点となる日本司法支援センターは今秋、動き出す。国民が刑事裁判の審理に参加する裁判員制度の実施は3年後に迫る。凶悪犯罪抑止力か人権保護か? 頻発する凶悪事件を巡り、死刑制度の是非について議論は続いている。戦後施行されてきた司法制度も時代にあった変容を求められている。『NONFIX』では現代の司法をディレクター独自の視点で考察し、シリーズでお届けします。
僕はドキュメンタリー番組を制作するディレクター。1年前、39歳になる兄が突然、大学院に進学した。それも法科大学院。いわゆるロースクールだ。兄は昼間は出版社で働き、夜は毎日法律家になるための勉強をしている。
兄はなぜ突然ロースクールに通いはじめたのだろう。そしてロースクールって一体どんなところなんだろう。取材がはじまった。その中で見つけたのは激動のさなかにある日本の司法の現状と、普段は酒ばかり飲んでいる(と思っていた)兄の意外な一面だった。
番組では昨年司法試験合格者数で1位だった早稲田大学に設置された法科大学院を中心に、ロースクールのユニークな授業、学生ママさんや脱サラ、全盲の学生などの奮闘を追う。
ロースクールに対しては、表面的で批判的な報道が続いている。確かにそれらは現実の一部だ。しかしやたら問題だけをとりあげ、面白おかしく刺激的に扱うだけなのは無責任ではないだろうか。
明日の日本の司法を担うロースクール生のことは、他人事ではないはず。まだ制度は始まったばかりで、混乱もある。だが本来私たちの社会を良くしよう、という試みなのだ。問題の本質はどこにあるのか? ロースクールの現実に迫る。