NONFIX過去放送した番組

堀北真希

昨夏『その先の日本を見に。~少女と鉄道・一筆書きの夏(出演:堀北真希)』ではじめて鉄道の一人旅を経験した女優・堀北真希が、ひとつ大人になって再び鉄道での一筆書きの旅へ。
今度は、福岡・博多をスタートして九州を巡ります。
実は九州の鉄道は他の地域ではちょっと見られないカワイイ車両がいっぱい。
そして16歳になった彼女の旅は、九州各地の人たちとの濃厚な出会いを経て、また前よりも少しだけ大人への階段を上がっていく経験でもありました。

まずは博多から特急“ゆふいんの森”に乗って、なぜか構内でクジャクを飼う久留米駅で各駅に乗り換え、田主丸駅へ。
ここは“河童のふるさと”と言われ、駅舎を含めそこらじゅうにいろいろな河童の置物があるのですが、彼女の目を奪ったのは河童が泳いだと言われる巨瀬川の河川敷に絨毯を敷き詰めたように咲く菜の花でした。九州の春を感じながら、各駅で由布院駅を経て大分から宮崎県・延岡へ。

堀北真希

ここからは東洋一高い鉄橋の上を走る高千穂鉄道が走っています。
高所恐怖症の彼女をあざ笑うかのように、電車は鉄橋で徐行。そして神話のふるさとである終点・高千穂からは、バスで南阿蘇高原鉄道の起点高森駅へ。

この日は偶然、阿蘇山の麓を走るこの鉄道に、今季はじめてトロッコ列車が走り始める日でもありました。まだやや肌寒い風を受けながら熊本を経由して八代へ。

堀北真希

ここからは九州一の車窓風景が見られるという肥薩線に乗ります。途中の瀬戸石駅では日本三大急流の球磨川をわたる渡し舟を、老夫婦が静かに営んでいました。
都会ではどうやっても不可能な出会い。ふたりの顔に刻まれた皺に強いシンパシーを覚えながらここを後にし、人吉からくまがわ鉄道に乗って桜祭りをやっているという終点湯前駅をめざします。
しかし今年は九州の春もちょっと遅く、桜はまだつぼみのまま。
そのかわり彼女の前には、今まで見た中で一番近くて大きな季節外れの花火が...

堀北真希

人吉に戻った彼女は、再び肥薩線に乗り、全国的にも珍しいと言われるループとスイッチバックを併用している線路に遭遇。社内アナウンスの説明も今一つ理解できないでいると、たまたま乗り合わせた鉄道少年が得意満面にその意味を教えてくれるのでした。

肥薩線の終点隼人駅から鹿児島県内に入り、彼女は終戦間近の頃急場しのぎで建てられたと言われる“幻の特攻基地”旧加世田飛行場へ向かいます。そこで出会ったおばあちゃんは、60年前、彼女と同じ16歳の時にひそかに想いを寄せた特攻隊員の死への片道飛行を見送ったのでした。胸に迫る話に涙がとまらない・・・。しかしその話を聞いた彼女はまた一つ成長していくのです。

堀北真希

鹿児島から八代を経て、熊本港から有明海をフェリーで長崎県の島原まで渡った彼女は、14年前雲仙普賢岳の噴火で大きな災害をこうむった記憶を持つ島原鉄道で諫早から佐世保をめざします。
ここで作家・村上龍の高校時代の同級生だった男性に遭遇。彼は小説『69』のモデルの一人でもありました。そこには35年前の若者たちが権威への反抗を記した記憶が彼らが歌う歌とともに残っていました。

佐世保を後にした彼女は、佐賀県を通って再び福岡・博多へ。

今回は完全な一筆書きで回ることはできなかったけど、それは彼女にとって16歳の自分を客観的に見出していく旅でもあったのです。

第1弾:
その先の日本を見に。~少女と鉄道・一筆書きの夏~(出演:堀北真希)』2004年7月9日(金) 03:00~03:55 放送

■出演
堀北真希
■制作
(株)ホリプロ