NONFIX過去放送した番組

紀元前1000年のエジプトの古文書には、ハゲの治療法が記されているという。
それからおよそ3000年。人間はハゲと闘い続けてきた。
しかし、未だハゲ問題解決の糸口は見ない。
4人に1人が薄毛に悩んでいるという現代の日本。
何故、神はハゲなんてお創りになったのか?
オール薄毛スタッフで、ハゲ問題の核心に迫ります。

テレビディレクターの僕は確かに少し髪が薄い。そして、それが原因でハゲの番組を作ることになった。ハゲとは一体なんなのか? 僕はハゲなのだろうか?

ハゲ…正式名称、壮年性脱毛症、又は男性型脱毛症。
病気とはされていない。人間の毛髪の平均本数は…10万~15万本。
髪の毛は通常2年~6年に生え変わる。
健康な人でも1日平均100本の毛は抜けているという。
この脱毛と発毛のヘアサイクルが狂い始め、髪の毛が減ったり、ひ弱になったりしていくことがハゲの原因。
厳密に言えば、誰でも肉体的なピークである18歳を過ぎる辺りには髪の毛の本数は減り始める。つまり誰もがハゲるのだ。今、ハゲ率は年々増加しているという。
今や4人に1人は薄毛に悩んでいるらしい。
この調子で行けば、数年後にはみんなハゲている…かもしれない。

ハゲは治るのか?
日本に数少ない毛髪専門の医療機関である、城西クリニックの小林一広院長によれば、ハゲ治療のゴールとは、「患者の悩みが無くなること」だという。
つまり、ハゲとは心の問題なのかもしれない。

とにかく色々なハゲの人々にハゲの悩みについての話を聞いて見たい。
僕のハゲを巡る出会いの旅が始まった。

35歳のSさんが、ハゲを自覚したのは高校生の頃。
20歳で人工毛植毛手術を受けるが、すぐ抜けてきて3ヶ月後カツラに変えた。
しかし今度はその不自由さと、カツラによる脱毛の進行に、3年後、引越しして環境を変えカツラを脱ぐことを決意。5年前自毛植毛に踏み切った。

都内の印刷会社で契約社員として働く小林さん(33歳)は、小さいころから髪が少なく、バカにさてきたという。
そして、それがコンプレックスとなり、どうしても女性の前で積極的になれない。
…ハゲだから。

同じようにハゲがゆえにモテなかった藤田さん(35歳)は、努力によってモテナイ現実を克服したという。
今やその女性を口説くテクニックで生計を立てている。
仕事は、モテナイ男のためのナンパ塾。

保険代理業の森田さん(39歳)は、20代でカツラを被った。
しかし、カツラは悩みの種であるハゲを隠したけれども、別の大きな悩みを呼んだという。そしてカツラを脱ぐことを決意した。

スポーツライターの小林さん(48歳)は、カツラであることを公言して被っている。
今や、カツラは身体の一部。ハゲという自覚さえないらしい。
ハゲではなく、自由な髪型を選んだだけ。
カツラカミングアウトクラブを結成して、カツラの地位向上を目指す。

ハゲ治療の最先端「自毛移植手術」を受けたハゲ、コンプレックスで自信を失ったハゲ、堂々とカツラをかぶるハゲ、カツラを脱ぎ去ったハゲ、ハゲ好きな女の子、ハゲを誇りに思うハゲ…。
彼らの生の声から見えてくるのは?
ハゲをハゲゆく人々の心の側から考えます。

■ディレクター
藤田慎一
■構成
稲原 誠
■リサーチ
鈴木正徳
■カメラ
武内克巳
■編成
吉田 豪

*以上、男性スタッフは全て薄毛です。

■プロデュース
竹村 香
■編集
千切谷知子

*女性スタッフは円形脱毛症経験者です。