2004年6月18日(金) 02:35~03:30 放送 (2004年6月17日(木) 26:35~27:30 放送)
名もない町の名もない路地裏。日本各地の路地・街角にはややささやかでも記憶に止めておきたいドラマがある。
後世に伝え残していきたいのは世界遺産ばかりとは限らない。人々が肩寄せ合って暮らす街角にこそ、本当に残していきたいものが数多く転がっている。今回は「町の理髪店」を取材する。
クイック理容室、カリスマ美容師全盛の時代。
一方で影は薄くても、今も頑張る昔ながらの「街の床屋さん」。
一度通い慣れたら、例え引っ越しても、わざわざ遠くから通い詰めるという常連客も珍しくない。
床屋にはなぜか、癒される雰囲気がある。
心の壁を取り払ってくれる不思議な主人と客の信頼関係。
床屋は現代に残された数少ない、心を許せる社交場と言えるのかも知れない。
ある理容師は言う。
「お客さんは顔ではなく、肌の感触で覚えているんです。自分の指先が覚えているんです。お客さんの訃報を聞くと、身内のように胸が傷むんです。」
客との心の交流。肌と肌のふれあい。客は散髪だけじゃない何かを求めてやってくる。理容師は、技術だけじゃない何かをお客さんに受け取ってもらおうと、ハサミ一つ一つに魂を込める。
お客さんに喜んでもらうことを生き甲斐とする床屋と、それを慕ってやってくる常連客。その床屋に潜む、客を惹きつける魅力とは何か。
客と主人のささやかな物語の中に、床屋が持つ
「癒しにも似た、不可思議な魅力」の正体を探ります。
■ プロデューサー | ![]() |
吉見健士 吉田 豪(フジテレビ) |
■ ディレクター | 吉田一正 | |
■ 構成 | 千葉 悟 | |
■ 撮影 | 佐藤充広 | |
■ リサーチ | 近藤慶太 |