NONFIX過去放送した番組

増え続ける不登校、教室の中の問題児、この中には発達障害の子どもが含まれているのではないかと言われている。
発達障害には読み書きが苦手、計算が苦手という特定の分野に躓きがある学習障害(LD)や授業中先生が話しているのに遮って発言をする、立ち歩く、忘れ物が多いなどの注意欠陥多動性障害(ADHD)。独自の思考パターンをもつアスペルガー症候群・高機能自閉症などの自閉症スペクトラムなどが含まれる。

神奈川県藤沢市にLD(学習障害)児及びその周辺の子供を対象としたNPO法人のフリースクール「ライナス学園」がある。非認可の学校であるため成績表・卒業証書は世間一般では通用しない。
そのため子供達は毎日の勉強を「ライナス学園」で行っているにも関わらず、それまで通っていた学校に籍だけを置き、そこから卒業証書を貰うという形をとっている。
彼らは苦手な事、得意な事にバラツキがあるものの知的な遅れは無い。
養護学校などの特別な学校ではなく普通の学校に通う。
そうした状況の中彼らは「みんなとどこか違う、我まま、怠けている」などの印象を与えてしまい、いじめにあったり不登校などになってしまう事が多い。

・・・今の日本には彼らの障害(特性)にあった居場所がないのだ。

全国には彼らのような発達障害に関連した学習面・行動面での問題を抱える子供は少なくない。
文部科学省でもこうした事態を真剣に考え動き始めているが、今のところ調査・研究といった段階だ。
そこで子供にあった教育を与えたい、このフリースクールを学校として認めてほしいという思いから子供達の親・先生は私学申請への取り組みをしている。
しかし、世間での発達障害に対する理解が広まっていないため、事はなかなか進まない。
さらに、今以上に発達障害に関する情報が少ない中、成長してきた大人達に目を向ける。

・・・普通の子が出来る事を自分は出来ない、私は駄目な人間。・・・
・・・どこか人とは違うのだがその理由が判らない、私は変な子。・・・

違和感を感じながらも普通の子供と同じ様にしようとして生きてきた大人達。
発達障害そのものよりも、それが原因による心の傷は深く、人間関係・就労の面で躓いている人が少なくない。
大人・子供の発達障害を見る事で、子供のための教育とは何か、彼らは何を必要としているのかを問う。