草刈悟郎役 鈴木伸之さん

2022.12.7 WED. UPDATE
インタビュー 02

今作のオファーを受けた時の感想は?
原作の小説を拝見させていただいて、忍者が世田谷区に多く住んでいるとか、郵便局に勤めていることが多いと冒頭に書かれていました。衣装合わせで初めてドラマスタッフの皆さんとお会いした時、僕はリアルに忍者の末裔が世田谷区や郵便局員が多いんだと思って話をしていたら、どうも話が噛み合わなくて(笑)。それでフィクションだったことに気付いて“そうだったんだ!”となったんです。そんな感じに驚かされるくらい、僕は忍者に関する知識がないところから入っているんです。ですが、逆に忍者を題材にした現代ドラマは今までにも無かったですし、その題材を自分がどれだけ表現していけるのか?と、自分自身に対しても挑戦することが出来るありがたい機会になると感じています。
悟郎はどのようなキャラクターですか?
悟郎の私生活はすごくズボラで大らかで、だらしないんです。ご飯をボロボロこぼしながら食べたり、好きな時間にゲームをしていたりと、あまり蛍(菜々緒)を考えるようなタイプではありません。そんな2人が出会って、どんな夫婦性を送っているのかは、忍者とは別の軸でこのドラマの大切な軸になっていると思います。ですので、そこは菜々緒さんと一緒に大事に演じてけたらと思っています。僕が印象的だったのは、1話で男性がトイレで立ってするか?座ってするか?という。
悟郎に共感出来る部分はありますか?
僕もあまり細かい事を気にするようなタイプではないので、“それぐらい良いじゃん”と思ってしまう事もあります。ですので、悟郎の気持ちもわかる部分はあるんですけど、トイレに関しては僕は座ってする派なので(笑)。悟郎は何で立ってすることにこだわっているんだろう?と思います。これは作品に出てくるんですけど、立ってするとどうしても撥ねますから、蛍にしてみれば“掃除するのは私なのに”って思うのは本当にその通りです。そこは座ってしようよ…なんですけど悟郎は違いますから。そういう悟郎の気持ちはひとつひとつ自分の中で咀嚼しながら演じたいと思っています。
蛍を演じる菜々緒さんの印象は?
菜々緒さんとは映画『オオカミ少女と黒王子』でご一緒させていただいたのですが、その時は一緒のシーンがあまり無かったので、今回初めてしっかりとお芝居をさせていただくことになります。すごく嬉しいので、作品や菜々緒さんの力になれるように頑張らないといけないという気持ちです。菜々緒さんはテレビなどで見るとすごく強い役を演じていらっしゃるので、そんなイメージがあるのではないかと思います。でも、僕の中で実際の菜々緒さんは真逆で、ものすごく優しくて大らかで本当に空気を大事にしてくださいます。信頼というか、肩を預けられる存在ですので、僕は僕の役に一生懸命に向き合って良いと思わせてくださる方です。
忍者のイメージは?
僕は小さい頃はおもちゃの手裏剣で遊んだり、忍者と言えば隠し扉が逆転して…というイメージでした。でも、いろいろと調べていくうちに縁の下の力持ちではないですけど、時代的には何か功績を残した人を裏で支えていたのが忍者の存在なんだろうと思えてきました。この作品が、見てくださる方々の気持ちの支えになれるようになったら良いと思いますし、登場人物同士もお互いに支え合うような作品になっていったら忍者像がクッキリと見えてくるんじゃないかなと思っています。
今作の収録で楽しみになさっていることは?
蛍と悟郎は正反対な人物だと捉えていて、反りが合わない事もたくさんあるし、お互いに心のどこかに些細な出来事が積み重なって、不満やイライラを持っているんです。そんな2人がなんで一緒にいるんだろう?と思うんですけど、正反対は表裏一体というか、逆に捉えると同じ方向に向かっているのかも?と思ったりもします。真逆な2人なんだけど、どこかで助け合ったり求めあったりしてしまうような夫婦像を作品として届けられたら良いと思っています。
最後に視聴者の皆さまにメッセージをお願いします。
正反対な蛍と悟郎がどんな結婚生活を送っていくのか?その裏で忍者としてどう動いて行くのか?二つのテーマがすごく重要な作品ですので、より面白く、緩急のある作品にしていきたいと思っていますので、是非、放送をご覧ください。

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