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風呂光聖子役伊藤沙莉さん

『ミステリと言う勿れ』への出演が決まった時のご感想は?
「私は刑事という役を演じたことがなくて、刑事だけでなく職業に就いている役をずっと演じたいと思っていたので、まずそれがシンプルに嬉しかったです。そして、“こういう役をやるかもしれない”と聞いて、原作や台本を読ませていただいたら本当に興奮するぐらい面白かったのが素直な感想です。風呂光という役で、今回の作品に携われることがとても幸せだと感じて、早くクランクインしたいなと思いました。」
原作、台本の面白さ、どのようなところに惹かれましたか?
「物語で描かれる事件そのものも珍しいことが起きたりして、それを探偵でも刑事でもないただの大学生の久能整(菅田将暉)が解決してしまうのは面白いですね。また、整の目線で事件を追うからかもしれないのですが、心底邪悪な人物が実はあんまり出て来ないんですよ…これは犯人を含めてです。でも、それはきっと整のフィルターがかかっていないとそうは見えなくて、ただ人を殺害した悪い人になってしまいそう。整の見方、捉え方を周囲の人間が聞くことで、風呂光もそうですが、演じている私も“この人は、こういう事があったから、こういう人間になってしまったんだ”とか“こういう考え方だから、こういう行為に至ってしまったんだ”となるんです。整は淡々としているようで、さらっと人に寄り添っているような感じがしてしまうところも魅力的に思えます。」
風呂光はどのように演じようと思いましたか?
「イメージかもしれませんが、気が強い役をいただくことが多いんです。気が強いというか、オドオドしたところがあんまり無い役かな?立ち位置的に今回の風呂光のような役をいただいても、本当に仕事が出来ないポンコツやおバカさんキャラクターが多かったんです。風呂光は仕事に一生懸命向き合おうとしているのに、そのステージに立たせてもらえないのに踏ん張っています。だから、風呂光のような女性を演じさせていただけるのはすごく嬉しかったです。1話から終盤に向けて、風呂光は“気が強く”というよりも“芯が強く”なって行きます。その様がしっかりと演じられていたら良いなと思っています。」
風呂光は整から影響を受けますね?
「はい。風呂光は整に人間としての魅力を感じているでしょうし、それはきっと整が自分には無いもの、考え方や言葉を持っているからで、風呂光には勉強になっていると思うんです。風呂光は刑事という職業にやり甲斐を感じているし、それを強く感じたいとも思っています。風呂光の方が年齢は上ですが、若干ですけど整を師匠のように思っていそうなところもあるので…師弟関係?よくわからないんですが(笑)。そういう視点から、風呂光は整に好意を持っているのだろうな?と思います。」
菅田さんが演じる整はいかがですか?
「菅田さんは原作にすごく忠実に向き合っている印象があります。原作の絵として描かれる整も素敵なのですが、菅田さんが演じられることで“整という人間がそこにいる”というイメージになります。菅田さんご自身は原作のイメージを崩したく無いと考えられていると感じますが、その上に少し違う彩りが良い意味で加わっているので流石だなと思います。」
収録現場の雰囲気は?
「基本的にすごく楽しいです。私がゲラというのもありますが、面白いことがたくさん起こるのでずっと笑っています(笑)。和気藹々とした良い現場だと思います。例えば、今回は台本が先に出来ていて、シーンを台本順に撮らずに前後バラバラに撮影しているので、もうとっくに撮影が終わったと思っていたゲスト出演の方に久しぶりにお会いして、“まだ終わってなかったんだ!”というだけで、みんなで大笑いしたり。いつもワイワイしています。」
最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。
「風呂光は応援して欲しいです。風呂光はやる気はあるんですが、最初は少しウジウジしたり一歩踏み出せないところがあって“ハッキリしろよ!”と思われるみなさんもいらっしゃるんじゃないかな?でも、1話での整との出会いから、どんどん明るくなりますし、やり甲斐、生き甲斐も次々に見つけて行きます。あちこち必死に駆けずり回る風呂光はいじらしいというか、良い子だなと私は思うので、そんな姿を応援してください。物語は残酷な事件が起きますが、その裏に温かいものがたくさんあって…。整の言葉は特に、ドラマをご覧になって救われる人や改めて考えさせられる方がたくさんいらっしゃると思います。そんなセリフの一言、一言を大切に聞いて、見ていただくと沁みる作品です。もちろん、全ての事件がハッピーエンドにはなりませんが、ものの捉え方を少し変えることで視野が広がったり、心が豊かになると思いますので、そういう面を感じながら作品に寄り添っていただけたら嬉しいです。」

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