2019.08.16更新
遠藤憲一演じる志方恭一郎の息子・恭介(渡邉蒼)が、13歳の同級生に殺害されるという事件をきっかけに、家族の崩壊が始まった、オトナの土ドラ『それぞれの断崖』。
第3話では、息子を殺した八巻満(清水大登)の少年院送致が決まる。だが、被害者の父である恭一郎(遠藤)は、過激な発言のせいで裁判の傍聴すら許可されない。満がどこの少年院へ送られるのか、全く情報はない。やり場のない恭一郎は、事件の担当弁護士・若菜(内田滋)のもとへ押しかける。と、そこへやってきたのは加害者の母・八巻はつみ(田中美里)だった…。
このドラマのもうひとつの見どころ、“被害者の父”恭一郎が、田中美里演じる“加害者の母”八巻はつみに心惹かれていく「禁断愛」が、いよいよ動き出す。
はつみ(田中)は、シングルマザーで、クラブのホステスをしながら息子の満(清水)を育てている。田中の撮影は、はつみが働く路地裏のスナックの前で、満に小遣いを渡すというシーンからのスタートとなった。
清水は、今回が初めてのドラマ出演。その清水に「大丈夫?」など、絶えず声をかけていた田中。清水から「自慢のお母さんです」と言われるなど、ふたりはすぐに打ち解けていく。
しかしドラマでは、その最愛の息子が同級生を殺害してしまい、恐怖や悲しみを忘れるかのように恭一郎との仲に踏み出していく。
その先にあるのは救いか、滅びか。苦悩するほどに艶めくはつみを演じる田中に話を聞いた。
Q.クランクイン&清水大登さんとの初共演は、いかがでしたか?
満とのシーンが最初だったので「良かったなー」と思いましたね。清水くんは初めての演技で、ドラマも初めてということでしたが、すっごい堂々としていて、動じないので肝が据わってるなーって思って、逆に「私がついていきます!」って言ったりしてました(笑)。
あまり計算のないお芝居をされるので、そういう意味ではすごくリアルで、自分の中でもっとえぐり取られるものがあるだろうなと思うと、今からちょっと恐ろしいです(笑)。
Q. 遠藤さんとの艶っぽいシーンはいかがですか?
台本のどこを開けてもしんどいですけどねぇ(笑)。(はつみは)笑っているところも無理して笑っているからしんどいですし。本当に女性から見ると「おいっ」て思ってしまうような人になりがちで、ちょっとした度合いで見え方が変わってくるような役なので、それはとっても難しいだろうなと思ってますけれども、やり切りたいなと思っています。
遠藤さんは見た目「ちょっと怖っ」という顔立ちなのに、本当に何か憂いがあると言うか、悲しみみたいなものを目で表現される方なので、今回の志方さん役にぴったりだなぁと思って、何かグッとくるものがあるだろうなと思いますね。遠藤憲一さんなので心強く、身をゆだねていこうかと。
Q. はつみという役については、どうお考えですか?
やっぱり強い女性でいたいなぁと思います。強く立っていようと思っても(1人で)立ち切れない部分を志方さんにほろっと行ってしまうというか。ただ逃げ出そうと思って志方さんのほうに行くのではなく、「自分で立とう、立たなきゃ」と思っていることがコップから溢れて出てしまうような、その部分を経ての“結びつき”みたいなことが表現できたらいいなと思っています。
Q. ちなみに「断崖に立たされた経験」は?
クランクインする前にアナフィラキシー症状に初めてなりまして。原因はわからないんですけど、全身に発疹が出て口から耳からパンパンに(腫れて)!それが衣装合わせの前だったので「私これから(役的に)結構脱ぐのに、露出あるのに、ほんとコレどうしよう!」って思って。
(医師に)「命も危なかったです」みたいなことを言われたときに、そういうことって一瞬にして起こり得るんだと思って、それがすごくビックリしたし、怖かったです。(完治が)撮影に間に合ったから(こうして)笑えますけど。
ドラマとの違いを見つけて、本作を2倍楽しもう!
また、原作者の小杉健治氏が、このほどロケ現場を訪れ撮影の様子を見学。
出演者やスタッフを前に「第1話を拝見しました。映像が美しく、役者の演技も素晴らしい!原作を超えるドラマになっていることに原作者としては複雑な思いです」と挨拶し、笑いを誘った。
原作本、小杉健治氏の「それぞれの断崖」は今月、集英社文庫より再販が決定。
掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。