2019.08.18更新
新米法医学者の万木朝顔(上野樹里)と、朝顔の父親で刑事の平(時任三郎)が、さまざまな遺体の謎を解き明かし、“生きた証”を見つけ出すことで、遺された人たちの心を救っていくヒューマンドラマ『監察医 朝顔』。
5年の歳月が経ち、すっかりお母さんとなった朝顔。一方、朝顔が勤める法医学教室の研究室では変わらない日常が流れている。そんな研究室で、法医学者を縁の下で支える検査技師・高橋涼介を演じているのが中尾明慶。
天真爛漫な愛されキャラで、ドラマに明るさを添えるスパイス的な存在だ。マスカットは、自身もその明るさからムードメーカーとなっている中尾を直撃。イジられキャラだという現場での話からプライベートまで、30代に突入した中尾の素顔に迫る。
Q.“死”と向き合う作品の中で、中尾さん演じる高橋涼介が登場すると、場面が明るくなりますね。
高橋は明るいキャラクターなので、僕自身もそういうつもりでやらせていただいてます。それに、(高橋がいる)法医学教室の主任教授・夏目茶子先生(山口智子)のモットーは、“明日死ぬかもしれないから”。その根底には、「生きている人間は、一生懸命生きて、楽しむところは思い切り楽しまなきゃ」という思いがあるんです。死と隣り合わせにいる僕たちだからこそ、研究室の日常は明るいシーンになったらいいなと思いながら演じています。
Q.現場では、ジョージ・クルーニーのモノマネをリクエストされたり、“ムチャぶり”されることがある、と制作発表で平野監督も明かしていました。
平野監督はユニークな方で「このシーンでは、光子ちゃん(志田未来)を執拗に触って、でも、ちょっとだけソフトタッチを入れて」とか、「(ここで)藤堂先生(板尾創路)に話しかけて」「ここで一人になったらどうする? 見せ場だよ」とか、変なプレッシャーをかけられて、なかなかカットをかけてくれなかったり。そういう意味では、精神的に鍛えられています(笑)。
でも、楽しくできるところは楽しんだ方がいいし、僕自身がそのシーンで高橋として楽しんでやれることが重要だと思うので、遊び心は入れていきたいなと思います。
Q.高橋は、研究室のみんなから愛されるイジられキャラでもあります。中尾さん自身も同様だとか?
なんか、この現場ではそうみたいです。年齢的にも若い方ですし、高橋も僕も明るい人間なので、普段からみんながイジってくれるんですよね。いつムチャぶりされるかわからないし、ムチャぶりされて一生懸命やったのに受け入れてもらえないと、「どういうことだよ!」って、ツッコみたくなることも。でも、それで明るいシーンになるのなら、僕はいくらでもイジられますよ(笑)。
Q.高橋を演じる上で心掛けていることはありますか?
台本を読んだ時に、嘘にはなりたくないということは思っていました。「こういう人たちいるよね」っていうところがないと嫌だと思っていたので、そこは意識して演じています。
そもそも僕は、自分の中にないものは演じられないと思っていて。自分の人生で経験したものや、その中にあるヒントから高橋という要素を持つ僕の性格をどんどん広げて、それを自分の体で表現するという作業をしています。今回は、僕の明るい要素と高橋の明るい要素がマッチングしたのだと思います。
Q.結婚して、お子さんが生まれたことで俳優としての引き出しが増えたということはありますか?
そうなってくれているといいんですけど。この間、31歳になって家族や友人にお祝いしてもらい、すごくうれしかったんです。その時に、ふと思ったんですよ。息子が来年小学校に上がるのですが、大学(進学)は「男だから自分でがんばれ」と言えたとしても、小中高の12年間は親が育てないといけないじゃないですか。その12年を芸能界でやり抜くというのは簡単なことではないので、「仕事がなくなったらどうしよう…」って。
そうしたら、「仕事があるっていいな」と感謝の気持ちが湧いてきたんです。健康な体があって、仕事があって、家族がいて、友人がいて、これ以上望むものは何もないな、って。今は(先のことを)考えてもしょうがないので、とにかく今目の前にあることをやるだけです!
Q.ドラマは、後半にさしかかってきました。時々入るというアドリブも含め、ますます楽しみにしています!
アドリブは、伝わるか伝わらないかのところで、研究室のみなさん、何かやっています(笑)。そういうのって、気づいてもらえるとすごくうれしいじゃないですか。だから、“この人たち、何やってるんだろう?”っていうようなシーンは、よく見ていただきたいし、そこで気づいてくださったらうれしいですね。とはいえ、高橋は、仕事はしっかりやる男なので、解剖シーンはいっさいふざけていません。そこもぜひ見てください(笑)。
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