2019.07.19更新
あいにくの雨ロケとなったが、ふたりの好奇心はどんどんヒートアップ!
週末の参議院議員選挙を前に、ちょっと考えてもらいたい―。
そんな思いで社会学者の古市憲寿とタレントの足立梨花が向かったのは、東京・新大久保。韓国料理や韓流グッズのお店が並び、K-POPなどの人気再燃から今も多くの人が訪れるコリアンタウンだ。
古市)新大久保って来ます?
足立)意外と来ているんですよ。
古市)僕も結構来るんですよ。韓国料理を食べにとか。
足立)韓国料理食べに来るんですか、古市さん?
古市)痩せそうじゃないですか~
なんて言いながら、ぶらり取材がスタート。しかし今回の目的は韓国料理ではない。ふたりは、増えていく外国人労働者の現状を見に来たのだ。
観光客などで賑わう有名な大久保通りから一本、北へ進む。わずか50メートルほどで景色はがらりと変わった。
ハラルフード店にて
見つけたのは、イスラムの食材店やレストランが並ぶ「イスラム横丁」。イスラム教の戒律に基づいて処理された食材、いわゆる「ハラルフード」を扱う店が点在している。
古市)全然韓国だけじゃないんですね
足立)へぇ!新大久保は韓国のイメージがあったので
ラマダン中は昼は食べられないので、日没にラマダンオファーといって安くモノが買えたり食事をすることができたりするという。
古市)ラマダンって日本でもニュースでは聞くけど、日本でもこういう風にしたりする人とかお店があるんですね
現在、新大久保がある新宿区に住む外国人は約4万2800人。人口のおよそ8分の1が外国人という計算になる。新大久保で外国人に聞くと「ウズベキスタン、バングラディッシュ、アルゼンチン…」と多国籍化が進んでいるのだ。中でも急増しているのが、ネパールだという。
日本で唯一 ネパール語の新聞社
紙面
日本に住むネパール人が情報収集するのに欠かせないもの、それは新聞。日本で唯一のネパール語の新聞社が、ここ新大久保にあった。編集長のマッラ・ティラクさんに話を聞いた。
古市)これが実際の新聞ですか?
足立)ちょっと何が書いてあるかわからないけど…
古市)日本初のネパール語の新聞って書いてある。ネパール語って初めてちゃんと見ました。
古市)何年ぐらい日本には住んでいるんですか?
マッラ)20年以上 仕事やりながら新聞も。当時はインターネットとかパソコンがなかったので、情報を知らせるため、日本にいるネパール人のために、ネパールと日本の情報を、あと生活の仕方なども…仲間たちのグループで始めました。
古市)国や行政にこうやって欲しいとかありますか?何が不満ですか?
マッラ)できればねぇ…区役所などから来る手紙、ちょこっとでいいから英語で書いて欲しい 何が書いてあるかわからなくて溜まっちゃうんです。
古市)お子さんはいますか? 学校はどうされてます?
マッラ)うちの子は大きいのですが、2011年ごろから結構日本にネパールの子供も増えちゃって、どうしよう、と。日本の学校に行かせてもいいけど、ネパール語を忘れたりとかね、言葉の問題とかね。日本でネパールの学校もあったほうがいいね、と2013年ごろから学校の話が始まって実現したんです。
ということで、2013年に作られたネパール語が学べるインターナショナルスクールへ。ここでは256人の子供たちが学んでいる。
古市)最近何が流行っているの?
生徒たち)キティ、ポケモン、ピカチュウ…
古市)僕らが海外に移住するとしても現地の学校に行かせるとして、日本人学校があれば行かせたいというか、日本語とか日本の文化とか、子供に知ってほしいという気持ちはわかりますよね。
マッラ)すごく大変だったのは、お金の問題ですね。5~60人集まって少しずつ。
私立として運営しているため、補助金が出るわけではない。遠いところからこの学校に通う子供たちは交通費もかかるため、決して順風満帆なわけではない。
古市)周りの理解は得られましたか?日本の人に反対されたとか?
マッラ)それはなかったです。逆にサポートしてくれました。
古市)やっぱり言語圏って非常に大切で自分の母語を守ることは権利だから、それを確保する場所は大事ですよね。
古市)日本で参院選がありますが、選挙のことをどう見てますか?
マッラ)私は記事を書く立場なので、選挙のことも見てますが、自分の国と日本を比べると、向こうは選挙が近づくと若い人たちワーワーして盛り上がっちゃうのですが、こっちは選挙が感じられない、そういう雰囲気が出てこないですね。
マッラさんは外国人の立場からすると外国人労働者について日本の政府がどう動くのか注目しているという。
ロケを終えて―
古市)友達と選挙の話します?
足立)全然出ないですね、興味がないわけじゃないのですが、若い子たちの意見なんて取り入れられないだろうな、と。私たちと考えていることが離れすぎてて、どこに入れたらいいかわからないというのが正直あります。一人ずつちゃんと聞けば、ここがいいと思うのがあるかもしれないのですが…。
(今回のロケは)普通にプライベートで歩いていたりしても外国人とあまり接することがないから、日本語が上手な人が多くて、ああやって日本の選挙のことに思うことがあることも面白いし、今まで聞けなかった話ができて、面白かったです。
古市)色々な国の人が混じっていて、多国籍文化というのが面白かったですね。これが日本の未来だとも思いました。特に地方とか外国人労働者も多いじゃないですか、そういう人が永住するようになったら、多分人口が減っていく地方ほど、人がいなくなった商店街に外国人は住んでくれて、こういう多民族の国になっていくというか、色々な地方の未来を見た感じがしましたね。
東京媽祖廟(東京・新宿区)
ロケの途中、古市と足立が立ち寄ったのは「東京媽祖廟」という台湾のお寺。
足立)すごい!縁結びやりたいなぁ…
古市)一番は縁結びですか?
足立)彼氏が欲しいんです、私。
古市)仕事よりも?
足立)はい。ははははは!
拝む古市に、今度は足立がツッコむ。
足立)本当は縁結びじゃないんですか?
古市)言わないですけど…別に…芥川賞取れますように、と
足立)出た!そこか!やっぱりそこなんですね!
古市)放送日は結果わかっているから(笑)
放送日、とはこのロケの模様が流れる参院選当日の特別番組のこと。
24日(水)19時56分~放送される『Live 選挙サンデー 令和の大問題追跡SP』で、古市&足立もスタジオ出演し、外国人労働者の問題だけでなく、さまざまな選挙の争点についてもズバッと語り尽くすという。
掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。