2019.07.08更新
いよいよ、11日からスタートする木曜劇場『ルパンの娘』。家族の誰よりも盗みの才能があるのに、泥棒家業を継ぐことを拒み、図書館司書として働く主人公の三雲華(深田恭子)と、泥棒逮捕を仕事とする刑事で華の恋人・桜庭和馬(瀬戸康史)の恋愛を描くラブコメディ。
代々泥棒一家の娘と代々警察一家の息子という、決して恋愛が許されない“ロミオとジュリエット”さながらの2人の、ピュアでどこか風変りなやりとりが繰り広げられる。
そこで、華を演じる深田恭子、和馬を演じる瀬戸康史に、撮影のエピソードや作品への思いを聞いた。
Q. 撮影が進んでいますが、手ごたえはいかがですか?
深田:本当に毎日、濃い1日を過ごさせていただいていて、休憩する間もないくらいのおもしろさというか、1カット1カット監督のこだわりだったり、カメラワークだったり、スタッフみなさんのこだわりと熱意を感じ、楽しみながら撮影しています。
瀬戸:僕は悩んでいます(笑)。監督が求めるものが、華とのシーンは『ロミオとジュリエット』なんですよ。“ロミオ感”みたいなものが、自分の中でまだ…。監督が画を見ながら、「今のよかった」とか言ってくださるんですけど、もう僕は必死でやっているっていうか、真面目にやっているというか。かなりのカロリーを使いながらやっていて。楽しいんですけど、ほとんど初めてに近い本格的なラブコメディなので、今までで一番悩んでいるかなっていう感じですね。
Q. ご自身が演じている役柄と、お互いが演じている役の印象を教えてください。
深田:私の役は…何から何まで普通じゃない女性なので、普通のシーンがいっさいなくて、逆に楽しいです。しかも、監督に、「好きでしょ?こういうの好きでしょ?」って言われて。なぜそう思われたのか、時間があるときに聞いてみたいです(笑)。
最初に本を読ませていただいたときは、どんな内容になるか「これ映像化できるのかな?」と思いましたが、スタッフのみなさんが想像を超えるような現場を作ってくださるので、そこに気持ちよく乗せていただき、やっと華という女性ができているような気がします。
瀬戸さんは、姿勢からして警察らしく、佇まいがとっても素敵です。凛々しさもありながら、一方で『ロミオとジュリエット』感もあって。例えば、手をつないでいて離れるシーンでは、指先までもがすごく美しくて、どっちも表現される方なんだな、と思いました。これからもいろんなシーンがありますが、どんなふうに演じられるのか、すごく楽しみにしています。
瀬戸:僕の中の和馬のテーマは、「真面目であるというところ」と「鈍感であるというところ」の二つです。あと、警察で結構アクションもあるんですけど、そこは攻撃的なアクションで、そういうお芝居をするのは初めてに近いので、普段の和馬とのギャップというか、ちょっと男らしさとか力強さは出していこうかなと思っています。本当に柔らかい人ですね。
深田さん演じる華は、泥棒ということを隠していて、和馬は警察側として追いかけていくことになるんですけど、そこの表情が見えないじゃないですか。だから、そこの芝居の難しさっていうのはありますよね。ドラマ的には、そこのリアクションを映さないといけないわけで。そういうちょっとしたことが難しいところがあります。でも、楽しいですね。
Q. 瀬戸さんは、今回の役のために10kg体重を増やされたそうですね。ご苦労もありそうです。
体重だけじゃなくて計り知れない苦労があります(笑)。僕は今回、本当に悩んでいて、どうしても不安な気持ちになってしまうんです。
「自分はできているのか?」とか、「ちゃんと監督の要望に応えられているのかな」とか、マイナスな気持ちでいっぱいになるんですけど、深田さんとやっていると、それがなくなっていくというか。深田さんは、現場を和ませてくれるので、ほんわかした気持ちになります。和馬が華のことを好きなように、たぶん僕も深田さんのことを好きなんだろうな、と(笑)。
深田:ありがとうございます(笑)。
Q.ポスタービジュアルや、ティザームービーでの泥棒スーツもインパクトがありますね。
深田:この間泥棒スーツを着ているときに、スタジオですれ違う人がみんな私のことを三度見くらいしていて(笑)。「お疲れさまです」ってあいさつしたら、他のスタジオの人にとにかく驚かれて。仮面も付けずに普通に歩いていたのですが、「ああ、私、結構な格好してるんだな」と思いました(笑)。
左から)小沢真珠、深田、渡部篤郎
瀬戸:実はちょっとうらやましいんですよね。僕、ほぼ普通のスーツなので。悩んでいるとはいえ、「ちょっとはふざけたいな~」っていう気持ちは、泥棒一家の人たちを見て思います(笑)。
深田:和馬は、振り切り過ぎてはいけないですもんね。
Q. タイトルバック、ティザーでのみなさんの「泥棒ダンス」の出来も素晴らしいですね。
深田:台本では、全員で変なダンスを踊るようなイメージだったので、「おもしろいけど、どういうことになるんだろう」と思っていましたが、現場に行ったら本当にものすごい、笑っちゃうくらいカッコいい画が撮れてて。全員で同じダンスじゃなくて、それぞれに振り付けされて、あとは雰囲気で、みたいな感じで。その雰囲気が、なかなかわからなかったんですけど(笑)。
ただ、ライティングもセットもあまりにすごくて、音楽もかけられて、なんだか知らない間にその気にさせられて、とにかくみんなが「いい!いい!」って褒めてくださったので、いろいろやってみました。
Q. ほかのキャストの方も、みな個性派揃いですね。
深田:それぞれのバランスがおもしろいというか。キャラクターが濃いので、読み合わせでもみなさんで座ってるだけで、もう笑っちゃう感じなので(笑)。両家の家族がとにかく濃いので、対面したときは、ものすごいパワーが生まれて、すごいシーンになるんじゃないかと期待しています。
左から)渡部、小沢、深田、瀬戸、マルシア、信太昌之
瀬戸:これからどんどんいろんな人たちと関わっていくのが、ものすごく楽しみです。昨日、加藤諒くんと一緒で、僕の上司役なんですけど(笑)、すごい偉そうなんです。それがすごくおもしろくて。彼がメチャクチャ緊張してて「お手柄だったぞ」を、ずっと「お宝だったぞ」って。もう、本当にやめてほしい(笑)。でも、それももちろん真面目にやっているから、笑いをこらえるのが大変です。
Q. それでは最後に、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
深田:原作と脚本を読んで、面白さに衝撃を受けたので、そのときに感じた思いをそれ以上にして、みなさまにお届けできたらなと思っています。
瀬戸:この作品は、かなりぶっ飛んだ設定の上、監督からどんな要求をされるかわからない、脚本を読んだだけでは想像できないことだらけです。監督からは「現代版『ロミオとジュリエット』を真剣に演じてくれれば、絶対面白くなるから」という言葉をいただいたものの、「本当に自分で大丈夫なのか?出来るのか?」と震えています。「これは武者震い…武者震いだ」と自分に言い聞かせ、監督やスタッフ、キャストのみなさんを信じ、「全てをさらけ出すのみ!」といった心境です。ぜひ、お楽しみに。
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