2019.07.05更新
「この試合を終えて、ボクシングファンの皆様が村田をもっと見たいと言ってもらえるのか、ジャッジメントされる試合になると思う」
ラスベガスでの悪夢の王座陥落から9ヵ月。オリンピック金メダリストからプロの世界チャンピオンに輝いた唯一の日本人ボクサーである村田諒太(帝拳)が、己の尊厳をかけて、世界王座奪還のリベンジマッチに挑む。
昨年10月、米・ラスベガスで行われたロブ・ブラント(アメリカ)との一戦では、ブラントのスピードと手数に翻弄(ほんろう)され、プロ入り初の完敗。引退してもおかしくなかったが、「あの試合を最後にはできない」と、再びファイティングポーズをとり、戦う意思を固めた。
第1戦は、出来が悪すぎた村田だが、敗戦をコンディションのせいにはせず、前回の映像を克明にチェック。課題をリストアップし、ブラント攻略を実現させようとしている。
ボクシングにおけるリマッチの鉄則――「より賢いほうが勝つ」からすれば、聡明な村田にはチャンスがあるはず。
本人が自覚しているように、この試合に勝たなければ今後のキャリアの見通しは立たない。逆に言うと、ベルトを取り戻せば、世界の強豪がひしめき、ファイトマネーも桁違いのミドル級で、再び重要なポジションを占めることになるのだ。
今回は、ほかにも、王者:拳四朗(BMB)vs挑戦者:ジョナサン・タコニン(フィリピン)、王者:ジョー・ノイナイ(フィリピン)vs挑戦者:清水聡(大橋)の模様を放送。
デビューから無傷の15連勝(8KO)で世界王者に君臨する拳四朗は、早くも6度目の防衛戦を迎えた。
京都出身、関西大卒の拳四朗にとって、今回は自身初の凱旋(がいせん)防衛戦(会場:エディオンアリーナ大阪)。世界王者になってからは、関東での試合が続いていただけに「『いつか関西で試合をしてほしい』という声があったのでうれしい」と意気込み十分。
スピードとテクニックが持ち味のチャンピオンは、挑戦者・タコニン(フィリピン)の荒々しいアタックを素早い動きでかわし、的確にパンチを打ち込んで中盤から終盤にかけてのKO勝利、という青写真を描いている。
両者のスタイルからいって、序盤からめまぐるしくパンチが交換される、軽量級らしい好ファイトが期待される。
ライトフライ級で6度の防衛に成功すれば、V13の日本記録を保持する具志堅用高氏、V7の田口良一(ワタナベ)に次ぎ、国内単独3位の防衛回数となるが、ベビーフェイスの世界チャンピオンはこれに満足するどころか「具志堅さんの記録を抜きたい」とどこまでもハングリー。
もうひとつの目標である他団体王者との統一戦を実現させるためにも、地元で最高のパフォーマンスを見せたいところだ。
デビューから8連続KO勝利のパーフェクトレコードをマークしているロンドンオリンピック銅メダリストの清水聡(大橋)はOPBF東洋太平洋フェザー級王座に続いて2本目のベルトを狙うことになった。
しかも今回は、1階級上げ、スーパーフェザー級でのチャレンジ。どちらの階級でも戦えるようにして、世界挑戦のチャンスを広げようというのが狙いだ。
階級を上げることについて、清水は「アマチュア時代は、60キロでもやっていたのでまったく問題ない(スーパーフェザー級は、リミットが58.9キロ)」と、涼しい顔。
もともと179センチの身長は、ライト級以上でも通用する体格。王者のノイナイ(フィリピン)を撃破し、スーパーフェザー級でも世界ランキングを獲得をもくろむ。
WBA世界ミドル級タイトルマッチ
王者:ロブ・ブラント(アメリカ)vs挑戦者:村田諒太(帝拳)
WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
王者:拳四朗(BMB)vs挑戦者:ジョナサン・タコニン(フィリピン)
WBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級タイトルマッチ
王者:ジョー・ノイナイ(フィリピン)vs挑戦者:清水聡(大橋)
※本試合のみディレイ中継
掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。