2019.06.21更新
MCの加藤浩次は「キング・カズ(三浦知良)」を銅像にしたいと
普段、生活しているなかでなにげなく目にする駅前や公園に佇む偉人の銅像について、どれぐらい知っているだろうか。
現在、日本全国に存在する偉人の銅像は約5000体(※番組独自調べ)。都道府県別にみると1位の東京都で509体、2位の埼玉県で221体、3位の北海道で210体だという。
彼らは、郷土の英雄や、歴史の証人であったりするはずだが、その偉業や立像の背景は意外と知らないもの。そこで、番組では全国各地の銅像を徹底調査!偉人たちの知られざるエピソードを浮き彫りにする。
調査員が三重県名張市へ乗り込むと、名張駅前にはメガネにベレー帽、左手をジャケットのポケットにつっこみ、右手には1冊の本を抱えた初老の男性の銅像が。
その風貌から、司会の加藤浩次は「手塚治虫先生?」と予想。しかし、手塚治虫氏と名張市の縁なんて耳にしたことがない。そこで、街の人たちに聞き込みをすると、その銅像は6年前に建てられたもので、市民は「地元の誇りになってほしい」と期待を込める。
手がかりは愛知県名古屋市にあるという情報を入手した調査員は一路、名古屋へ。行きついた県立瑞陵高等学校に、銅像のあの人物の卒業アルバムが残っているとのことで、アルバムを見せていただくと、そこに記されていたのは「平井太郎」という聞きなれない名前。
しかし、その平井太郎こそが、“日本推理小説の父”と名高い江戸川乱歩の本名であった。
明治27年に三重県名張市で生まれた太郎は、名古屋へ移り住んだ。小学校の時、母親が読んでくれた探偵小説に熱狂し、初めてオリジナル作品を書き上げたのは、なんと11歳の時。
その後、現在は県立瑞陵高校となっている当時の愛知五中に進学すると、自作の探偵小説を近所の小学生たちに作品を売りつけたり、広告を作って電柱などに貼ってアピール。さらに、太郎の当時の学籍簿を見ると「戒飾(かいしょく)」の文字が。太郎は両親に内緒で退学届を作成し、提出。何を思ったのか、友人らと満州で牧畜を始めようと画策し、渡航計画を立てているところを見つかり、停学処分になってしまった。
そんな自由過ぎる発想で周囲を驚かせ続けた太郎は早稲田大学を卒業後、古書店やラーメン屋台の経営、新聞社で勤務していたほか、探偵を志望し、探偵事務所の面接を受けるなど約20回の転職を経験する。
そして、大正12年、28歳の時に短編「二銭銅貨」で作家デビュー。憧れの作家、エドガー・アラン・ポーの名を模した推理小説家・江戸川乱歩が誕生した瞬間だった。
時代は大正から昭和へ――。新しい流行が次々と生まれたこの頃、乱歩は時流をいち早く察知。“エロ・グロ・ナンセンス”を題材に『蜘蛛男』、『黒蜥蜴』といった傑作を次々と世に送り出し、一躍人気作家へと昇りつめた。
人間の深層心理に隠された欲望を表現した乱歩だが、それが次第に自分自身を苦しめることに。なんと、殺人事件や凶悪事件が起こるたび、世間は乱歩の作品の影響だと批判するようになったのだ。
追い詰められた乱歩は、テーマを「少年向け」にスイッチ。昭和11年に『怪人二十面相』の連載を始めると、これが大当たり。そこから、70歳で人生を終えるまで、多くの人に夢を与え続ける…。
番組では、その地位を不動にするまでの日々や、「常識人だった」というお孫さんの証言などを含め、乱歩の
人生に深く迫っていく。
井上勝の銅像
古関裕而の銅像
番組ではほかに、明治初期、日本近代化に大きな影響を与えた“長州ファイブ”の一人で、「鉄道の父」と呼ばれている井上勝、「阪神タイガースの歌」通称“六甲おろし”や、東京オリンピックの行進曲「オリンピック・マーチ」など、昭和を彩った数々のメロディを生み出した作曲家で、手がけた作品は5000曲にも及ぶ古関裕而の人生もクローズアップする。
Q.今回の収録の中で一番興味を持った方は?
(考えて)井上勝さんかな。20歳の若さで5年間も向こうへ(イギリス)行って、日本を何とかしようとしている気持ちですよね。うまく出航して死罪にならないとしても、航海の最中に死ぬ可能性だってあるわけじゃないですか。そういったものを含めて、危険を顧みずに勉強しに行くっていうのはすごいなと思いますね。
Q.小中学校の時に身近にあった銅像で印象に残っているのは?
小学校に二宮金次郎の銅像があったくらいですね。その時、先生から二宮金次郎がどういう人か教えてもらいました。
Q.今、生きている方でこの人は銅像になるんじゃないかと思う方は?
キング・カズですね(三浦知良)。
掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。