2019.06.10更新
今夏の世界柔道女子日本代表を含む柔道女子日本代表が、スポーツクライミングのボルダリングに挑戦し、新井千鶴選手、芳田司選手、濱田尚里選手、田代未来選手、志々目愛選手らが参加。登り方や手足を使う順序など、柔道の試合でも有効な先を読む“戦略力”を高めた。
しかし、なぜ柔道選手がボルダリング?
柔道女子日本代表の増地克之監督の狙いはこうだ。「柔道着をつかむことと、ホールドをつかむことに共通点がある。イメージしてどう握るか。試合を想定したうえで、相手をイメージしてどういう戦略を練るかにつながる」との考えからスポーツクライミング日本代表の安井博志ヘッドコーチに依頼して実現したという。
ボルダリングの小竹芽生選手
ボルダリング男子日本代表の渡部桂太選手、高田知尭選手、女子の小武芽生選手からは「登る前にいかにして登るか戦力を練っておき、手足を同時に動かしながら、腕だけでなく、足や股関節もしっかり使ってください」との指導が。
小竹選手のクライミングを、驚きの表情で見つめる女子柔道日本代表の面々
目の前に立ちはだかる高い壁に「無理無理…。手汗がスゴイ…」と緊張気味の選手たち。いざ登ってみると、途中で行き詰まったり、下り方が分からなくなったりして「ヤバい、ヤバい」「(手や足をかけるホールドは)どこー?」と絶叫しながら悪戦苦闘。
芳田司選手
芳田選手は「前腕がパンパン」と苦笑しつつ、「ボルダリングは前から気になっていました。頭と体の使い方で柔道と共通する部分があった。(攻略には)戦略が大事で、頭を使う練習になる。今日はスイッチが入り、石と闘いました(笑)。普段からトレーニングとしても取り入れていきたい」と笑顔をみせた。
新井千鶴選手
登り切れず何度か落下してしまった新井選手は、「高いところは好きじゃないから恐怖心と戦いながら登りました。思っていたとおりの結果になった」と首をすくめながらも「手足の運び方をどう組み立てるか。一発勝負の中で選択が重要になってくる。そういうところは柔道に近いのかなと思った。違う競技を体験させて頂くことでとても勉強になった」と話した。
濱田尚里選手
濱田選手、志々目選手、田代選手らも果敢に挑戦を続ける。そして徐々にコツをつかんでいき、どんどん登れるように。さすが日本代表というべき身体能力の高さを見せつけた。
志々目愛選手
田代未来選手
指導したボルダリング・小武選手は、「みなさん、クライミングに必要な、押す力や引く力という基本的な力を備えていて、1、2週間もすればすいすい登れるようになると思う。クライミングは自分の体重を支えながら登るスポーツ。柔道も同じ体重の相手と戦うのでトレーニングには向いてるのではないか?体幹が強いのでしっかり登れていてさすがだなと思いました」と絶賛。
今夏の世界選手権に向けて、下半身の使い方や柔軟性など、ヒントになる部分が多かったと手応えを感じたようだ。
【女子】
48㎏級
渡名喜風南(パーク24株式会社)
52kg級
阿部 詩(日本体育大学1年)
志々目愛(㈻了德寺学園職)
57㎏級
芳田 司 (コマツ)
63㎏級
田代未来 (コマツ)
70㎏級
新井千鶴 (三井住友海上火災保険株式会社)
78㎏級
濵田尚里 (自衛隊体育学校)
78㎏超級
朝比奈沙羅 (パーク24株式会社)
素根 輝 (環太平洋大学1年)
団体57㎏級
玉置 桃(三井住友海上火災保険株式会社)
団体70㎏級
大野陽子(コマツ)
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