2019.02.01更新
山口紗弥加(以下、山口):
その「正義」って、正しいの? その「正義」って、誰のため? 法律に則った正義”に対して違和感を覚える私は、間違っている?「正義」って、何? 堂々巡りの自問自答にどれだけ時間を使ったかわかりません。「絶対的な正義」ほど恐ろしいものはないかもしれない。正論だからこそ、恐ろしい。自分が演じる役に向かって「範子!お願いだから私の前からいなくなって!」と思いながら台本を読んだのは初めてかもしれません(笑)。
山口:
「正義」の権化。法律と規律に支配され取り憑かれた“機械”のようにも映ります。彼女にとって「法律」は世界一安全で、唯一安心できる場所。自分自身を守る鎧のようなものなんだと思います。
山口:
範子の言葉は正論なのですが、どんな罪にも情状酌量の余地が残されているように、物事には背景や経緯が存在します。範子のように結果だけをみて「法的に正しいか、正しくないか」で判断することは、私にはできません。できませんが、範子の「正義」が異常だとも思えない。ただ、過剰なだけ。他人の不正を正すだけではなく、自らも潔白であろうとする姿は気高く、美しいとすら思えてくるから不思議です。
山口:
時代を風刺し、何かを問いかけるような社会派ドラマを主に制作されている印象があります。今回の『絶対正義』でも、何かしらを訴えることができたら……嬉しいですね。
山口:
このドラマは5人の女性の群像劇です。範子の「正義」が、それぞれの目線を通して描かれます。立場や状況、関係性によって様々に形を変える「正義」を、ぜひ、ご自身の目で確かめていただけたら幸いです。
◆オトナの土ドラ『絶対正義』概要
「絶対正義」の持ち主、高規範子(33/山口紗弥加)は、ある過去の出来事から、間違ったこと、法を犯すものを許さない。妊娠を機に専業主婦となった。
そんな範子と再会した高校時代の友人が4人。西山由美子(33/美村里江)は、夫がリストラされアルバイトを掛け持ちしながら子育てに追われていた。理穂・ウィリアムズ(33/片瀬那奈)は、外国人の夫とインターナショナルスクールを経営。子宝に恵まれることを望んでいた。今村和樹(33/桜井ユキ)は、大手の出版社を退職したばかり。ノンフィクション作家として成功したいと、焦りを感じていた。
石森麗香(33/田中みな実)は、子役タレントから女優に。独身だが、妻子ある男性と不倫関係にあった。範子の友人たちは、それぞれがそれぞれの人生を生きていた。しかし、範子と再会したことによって、日常が綻び始める。その綻びは、静かに、やがて大きな音を立てて絶望的な破綻へと突き進んでいく。範子が狂気じみた正義を貫く理由とは…。そんな彼女に対して、4人がとった行動とは…。正義とは何か。正義とは誰のためにあるのか。
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