2018.12.18更新
甲斐(織田裕二)は、検事時代に担当した殺人事件が冤罪だったことを知る。上司だった柳慎次(國村隼)が重要な証拠を隠蔽していたのだ。
13年間、世田谷で名門私立高校に通う女子高生・東珠里が惨殺された。強姦目的の殺人として逮捕されたのは、前科がある無職の男・栗林紡(淵上泰史)だったが、隠されていた証拠品には栗林と被害者が恋愛関係にあったことを証明する手紙があった。また、所轄署に戻された証拠品の中に事件当日被害者が着用していたキャミソールもあり、そこには栗林とは別の人間の血液が付着していたのだ。
栗林を救い出そうと動き出した甲斐は、チカ(鈴木保奈美)に頼み、大輔(中島裕翔)に手伝わせる許可を得る。甲斐が真犯人だと考えていたのは、事件当日、被害者とカラオケに行った同級生・曽我部一也(生島翔)と蜂矢勇気(上遠野太洸)だ。曽我部たちは、当時学内で違法薬物を売りさばいていたという噂もあった。甲斐からふたりに関する情報を集めるよう依頼された大輔は、遊星(磯村勇斗)のもとを訪れ、協力を求めた。大輔は、いまさらお前に協力なんかできない、と反発する遊星に、「どうしても助けたい人がいる」と言って頼み込む。
同じころ、甲斐の前には、最高検の澤田仁志(市川海老蔵)が姿を現す。澤田は、再審したら検察は本気でつぶしにかかる、と甲斐に忠告する。澤田は、柳の信奉者たちも甲斐を敵視していることを伝えた。自分は柳の降格とは無関係だという甲斐に、「証拠を隠してたくせに」と澤田は告げ……。
ファームに戻った甲斐は、柳の不正に関する証拠を許可なく提供した伽耶子(中村アン)に解雇を言い渡す。チカは、みんなが甲斐を守るために必死だった、逆の立場だったら同じことをしたはずだ、と甲斐を非難した。
ほどなく、栗林の再審に担当検事がつく。これがデビュー戦だという藤嶋春香(上白石萌音)だった。それを知り、検察はまともに取り合う気がない、と憤る甲斐。さらに、チカの元には、再審請求の噂を聞きつけたクライアントから顧問契約を切りたいという申し出もあった。曽我部の父親が社長を務める「曽我部エステート」だ。チカは、冤罪の重みを理解していないようなクライアントはこちらから願い下げだと甲斐に告げると、改めて伽耶子のことを許すよう説得する。それを受け、甲斐は伽耶子に謝り……。
大輔とともに検察庁の春香を訪ねた甲斐は、曽我部と蜂矢に出会う。曽我部は、いくら騒ごうと裁判にはならない、と余裕を見せる。
春香は、甲斐が提出した手紙から、栗林が被害者と恋愛関係にあったことは認めつつも、恋愛関係のもつれが動機かもしれないと指摘する。また、曽我部たちにDNA鑑定を拒否されたため、キャミソールも新たな証拠にはならないというのだ。しかも春香は、栗林自身が再審を望んでいないと聞いたという。栗林と面会した甲斐と大輔は、真意を尋ねた。すると栗林は、このまま大人しくしていれば残り2年の刑期を半年に短縮すると言われたらしい。
甲斐は、面会者リストを記憶した大輔により、栗林に会いに行ったのは刑事の高松公一郎(阿南健治)だと知る。甲斐は、高松のもとを訪れた。しかし高松は、正義を貫くには小さな悪に目を瞑る必要がある、栗林が犯人だと確信している、と甲斐に言い放つ。
一方、大輔は、栗林と面会し、甲斐の話を始める。甲斐との出会いからこれまでのことを話し、自分を救ってくれた甲斐なら、栗林も救えるという大輔。それが功を奏し、栗林は再審請求の取り下げを止める決意をする。
そんな折、遊星から情報が入る。事件当時、曽我部たちはある人物にアリバイ作りを頼んでいたというのだ。そこで甲斐と大輔は、偽メールを使って曽我部たちをバーに呼び出し、アリバイ作りの件を切り出す。さらに甲斐は、曽我部が飲んでいた酒ビンも入手し……。
チカは、蟹江に、科学鑑定センターでDNAの検査技師をしているという甥に、入手したグラスのDNA検査を頼むよう命じる。一方、真琴(新木優子)は、大輔とともに再審請求の資料作りに取り組んでいた。
ほどなく、被害者のキャミソールに付着していたDNAが曽我部のものと一致したという結果が出る。さっそくその結果を春香に伝える甲斐。すると春香は、警察から連絡があり、キャミソールが被害者のものかどうか怪しいと言われたことを告げる。13年前にキャミソールを所轄署から検査施設に運んだ記録がないというのだ。柳の派閥にいた検事たちが裁判所に圧力をかけていることもあり、打つ手がなくなる甲斐。そこで甲斐と大輔は、容疑者の自白を取るためのある作戦を考える。チカのもとを訪れた大輔は、「この案件を最後に弁護士を辞めます。僕はどうなっても構わないので、甲斐先生だけは守ってください」とチカに告げ――。
その夜、暴漢に扮した遊星は、蜂矢のマンションに侵入し、曽我部に頼まれてきた、といって彼を襲おうとする。怯えた蜂矢は、珠里を殺したことはしゃべらないと曽我部に伝えてほしい、と遊星に告げる。そのとき、部屋の明かりがともった。そこにいたのは、刑事の高松だった。蜂矢は、刑事たちに連行され……。
報告を受けた大輔は、弁護士バッジを甲斐のデスクに置くと、事務所を出ていく。
柳に会いに行った甲斐は、蜂矢が落ちたことを告げた。柳は、有罪率99.9%の陰でおよそ6割の刑事事件が起訴すらされずに処理されていることに言及し、その状況を変えられるのは自分しかいない、と甲斐に話す。甲斐は、そんな柳に、外からそれを変えるというのはどうか、とファームに誘うが……。
蜂矢が自白したことがマスコミでも報じられる。春香は、やってきた甲斐に、再審手続きを始めることを告げる。春香はすでに栗林の出所手続きを済ませ、再審に関する資料も揃えていた。
甲斐は、澤田に、何故自分に手紙やキャミソールの証拠を見せたのか不思議だった、と切り出す。柳から証拠隠しを命じられた澤田が、自らの良心に従って行動し甲斐を利用した、というのだ。しかし澤田は、自分にはそんな頭があるわけない、と答えるだけだった。
遊星とともに大輔の部屋を訪れた砂里(今田美桜)は、本当に弁護士を辞める気なのか、と問いかける。それに対して大輔は、これで冒険は終了、悔いはない、と返したが……。
甲斐は、最後の仕事として明日の栗林の釈放に立ち会うよう、大輔に命じると、アソシエイトやパラリーガルを集め、これまで「幸村・上杉法律事務所」が扱った案件の中に不正がなかったかどうか調べるよう命じる。
あくる朝、徹夜明けの真琴の前に、砂里が現れる。そこで砂里は、大輔に弁護士を続けるよう話してほしい、と頼む。真琴の言葉なら思いとどまる、というのだ。
同じころ、甲斐は、過去の案件の中から不正が見つかったことをチカに報告していた。そのすべてを公表し処罰を受ける、とチカに告げる甲斐。怒ったチカは、絶対に認めない、と甲斐に迫った。すると甲斐は、不正に目を瞑る代わりに、代表にも目を瞑ってもらいたいことがある、と切り出す。
栗林の釈放に立ち会った大輔が、ファームに戻ってきた。ロビーで待っていたのは真琴だ。甲斐は、そんな大輔に声をかけ、何かを放った。それは、弁護士バッジだった。甲斐は、大輔にボストン行のチケットと小切手を手渡すと、2年で帰ってこい、と告げて――。
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