2018.08.22更新
MCの石橋貴明さんとミッツ・マングローブさんが、ゲストにちなんだちょっと昔のアレコレをテーマに語る『石橋貴明のたいむとんねる』。第17回目の放送では森山直太朗さんを迎え、歌手人生に大きな影響を与えた名曲を懐かしの映像とともに振り返ります。
森山直太朗さんは、ジャズトランペット奏者の森山久さんを祖父に、歌手の森山良子さんを母に持つ音楽一家に生まれ、幼少期から当たり前のように昭和歌謡曲を聴いて育ったそうです。
そんな森山さんが「男だからって裏声を出すことに羞恥心がなかったのはこの曲のおかげ」と語るのは、1977年にリリースされた石川さゆりさんの歌う『津軽海峡・冬景色』。
当時2歳だった森山さんですが、「母と姉はこの曲が大好きで、サビの最後の♪ああああ~、を奪い合うんです。そのうち僕も参加してどんどんアレンジしていって。(石川)さゆりさんには失礼ですけど、原型を聞いたら『あれ?こんなんだったっけな?』って」と語ります。
ちなみに森山家は、森山さんがお風呂で鼻歌を歌っていてピッチがずれると母の良子さんが入ってきて「ピッチが甘い」とか「語尾が流れている」と注意されるそうで、さすがの英才教育にタカさんもビックリ!
続いて1982年にリリースされた森進一さんの歌う『冬のリヴィエラ』。強烈な違和感が当時あったというこの曲は「今まで、演歌の人は演歌の曲を書いていたのに、松本隆さん(作詞)と大瀧詠一さん(作曲)みたいなミュージシャン気質の人が書いた曲をさらっと森さんが歌いのけている。けっこうこの一曲にいろんなエネルギーがあったんじゃないかなって」と森山さん。
もう一曲、音楽クリエーターと歌手のコラボレーションに感心したのは、1982年リリース、松田聖子さんが歌う『渚のバルコニー』。松本隆さんの歌詞に注目します。
森山さん「縮まりそうで縮まらない男女の距離感っていうのが松本隆さんの曲は多くて。(歌詞だけ見てみると)♪渚のバルコニーで待ってて、と言って、あれもしたい、これもしたい、と。それでいて♪水着持ってない~、って。水着持ってないんだ!? っていう、いろんな駆け引きがなされている」
タカさん「ナニ? 素直に聞けばいいじゃないか」
森さん「いや、僕は客観的でしたから。僕の父親世代の人もファンになっているのを見ながら、この曲にどういうことが起きているんだろうって。歌詞を見ると(松本さんの緻密な計算がなされていて)確信犯だなと。でも、それを作り上げて歌い上げたコンビネーションがすごい」
実は松田聖子さんと同じ年のタカさん。「俺はカール・ルイス、バラク・オバマと同じ年だから」と言うと、ミッツさんと森山さんは「どんな黄金世代なんだ」と目を見開いていました。
幼少期の森山さんが中毒になったのは、1977年リリース、平野雅昭さんが歌う『演歌チャンチャカチャン』。本当にスナックを経営していたマスターが、“お店”のノリをそのままに歌い上げます。
この曲との出会いは、DJをしていたお姉さんの影響から。いろんな意味で軽いこの曲を聞いたとき「あ、ノリでデビューしていいんだ!」と思ったそうです。
タカさん「(レコードの歌詞カードを見ながら)振り付けがまたいいですね」
森山さん「振りもね、このノリすごいなと思って。歌の本筋よりも♪チャンチャカチャン、を待ってる自分がいるんですよね。早く来ないかなって(笑)」
ミッツさん「前奏も間奏も自分でやっちゃおうみたいな。スナックのノリなんですよね」
森山さん「そうなんです。中毒性が高くて(笑)」
タカさんが「平野さん、なんとも嘘つきっぽい(笑)偽物っぽい」と言うと、自身もスナックを経営しているミッツさんが「やっぱり水商売とうさんくささは一緒ですからね~」としみじみコメントしていました。
音楽性に関係なく「初めて好きになったアイドル。かわいくて、ただ存在が好きだった」というのは西村知美さん。スタジオには1986年リリースの『夢色のメッセージ』が流れ、ご本人のコメントも紹介されました。
その流れから当時好きだったタイプの女子の話になり、「クラスでもアイドル系とかイケイケ系の女の子よりも4、5歩引いた感じの子のほうが惹かれる」と森山さん。一方タカさんは若かりし頃、無理めの女子にアタックしては玉砕していたエピソードを交えながら、当時の恋愛を野球にたとえて解説します。
タカさん「やっぱりインハイ打てなかったらハイローも打てないだろうなと。若いうちはインハイも打てないんですよ。無理めをいって、やっぱ無理だよな、車も持ってないし。でもいつかは打てるようになるぞと」
ミッツさん「そういう意味でいうと、私たちの世代で『遊園地にいくなら観覧車じゃなくジェットコースターに乗りたい』っていう女の象徴が鈴木保奈美よね?」
タカさん「それは役でしょ~(照笑)?」
こうして、奥さんの話が出てくるといつも弱ってしまうタカさんでした。
最後は森山さんが圧倒的な歌唱力に驚いた、1975年リリースの布施明さんが歌う『シクラメンのかほり』。布施さんを「生まれながらの歌い人、まねしたくてもできない」と評します。
森山さん「1つとして同じ符割がないんですよね。ふつうは♪真綿色~した、じゃないですか。でも布施さんの場合はその日のやつ(節回し)みたいな。後期はもう、こんなに溜めちゃうんだっていう。根性比べみたいになってきているぞと」。
タカさんは『君は薔薇より美しい』も好きな曲だそうで、「♪あ~あ~~~君は 変わった~、の変わった~のところの、なんか声の幅がダア~って出てくる感じが好き」なのだとか。
最後は母の良子さんの話題に。タカさんが噂に聞いたところ、「(おぎやはぎ)小木んちでサッカーを観ていたら、お母さんがいきなり立ち上がって拳を胸に当てて国歌斉唱をしはじめた」という話を森山さんにぶつけました。
すると、以前森山さんがサッカーの取材で訪れた会場でも「(サプライズ企画で)リムジンから母親が降りてきて、国歌斉唱した」と告白します。
数々の名曲を持つ森山良子さんですが、国歌斉唱が好きという事実になぜか笑いが止まらないMCの2人でした。
文=パンチ広沢
掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。