2018.07.17更新
ミハンチームの井沢範人(沢村一樹)と山内徹(横山裕)は、失踪していた特殊班捜査員・桜木泉(上戸彩)がベトナムで殺害され、遺体となって発見されたことを知る。ミハン責任者の東堂定春(伊藤淳史)は、元バディの死に山内が受けたであろうショックを憂慮して捜査から外そうとする。だが山内は、捜査を続けるという。
ミハンが割り出した新たな危険人物は、料理人の藤井早紀(黒谷友香)だった。早紀は、有名創作料理店の総料理長であると同時に、13年前から子どもたちに食事を提供する「こども食堂」の運営にも取り組んでいた。ミハンが早紀を危険人物だと判断したのは、植物から抽出した毒物を海外から仕入れていたからだ。しかも彼女は、すでに遺言状を作成しており、死を覚悟している可能性も考えられた。
小田切唯(本田翼)は、料理人志望者として早紀に接近。井沢も、早紀が運営するこども食堂のスタッフとして潜入する。ほどなく井沢たちは、早紀が世間を震撼させた15歳の少年による猟銃を使った犯罪――関東女子高生連続殺人事件について調べていたことを知る。その犯人・津田圭祐(笠松将)は、最近、少年刑務所を出所していた。また、早紀は、「助けて……」という留守番電話の録音と思われる音声データも所有していた。
ほどなく、早紀が興信所を使って津田の居場所を調べていたことが判明する。井沢は、こども食堂に飾られていた写真から、津田によって殺害されたとされる3人目の被害者・元宮七海(多田成美)が、スタッフとして早紀の手伝いをしていた女子高生であることに気づく。七海は、事件当時16歳。山岳部の合宿で深美山に行った際に、山菜を集めようとして単独行動し、事件に巻き込まれていた。
井沢は、早紀に事件のことを切り出す。早紀によれば、七海は小学5年生のとき母親を亡くして子ども食堂に通い始め、次第に心を開くようになると、料理を教えてほしいと言い出したらしい。山菜を集めるようになったのも、そうした経緯があったためだった。
あくる日、山内と小田切は、津田の元へと向かう早紀を尾行する。そこに、南(柄本時生)から重要な情報が入る。七海は匿名で特別養子縁組をする施設で保護されており両親は里親であること、そして早紀には19歳のころ定期的に産婦人科に通っていた記録が残っていることだった。そんな中、早紀が津田と接触し、包丁を手に何かを問いかけた。それに対して津田は、「だから、やってねえって言ってるだろ!」と叫ぶ。すると早紀は包丁をしまい、津田の元から去って行く。
井沢は、ジャーナリストを名乗り津田に接触。彼が早紀から、本当に七海を殺したのか、と問われたことを掴む。一方、DNA鑑定の結果、早紀と七海は実の親子だったことが明らかになった。早紀は、修業時代に付き合っていたある企業の御曹司の子を身ごもったが、突然弁護士が現れて認知できないと告げられていた。身内のいない早紀は七海を出産し、特別養子縁組をする施設に引き渡したのだ。早紀がいまになって津田に接触し、「本当に殺したのか」と問い詰めたのは、彼が犯人ではない事実を知った可能性も考えられた。
盗撮映像から、早紀が津田の声を録音していたことを知った井沢たちは、彼女の部屋にあった留守番電話の音声に注目。そこには、「助けて……」という女性の声と、「どこ電話してんだ」という男性の声、さらにかすかに高い音が残っていた。
井沢は、捜査一課の早川(マギー)と板倉(田中道子)を居酒屋に誘い、関東女子高生連続殺人事件に関する情報を集める。すると、七海の事件に関しては、やはり不審な点があったのだという。七海は、死の直前、子ども食堂の関係者に電話していた。早紀が持っていた留守電のデータのことだった。そこに残っていた「どこ電話してんだ」という男性の声は声紋鑑定の結果、津田の声ではなかったというのだ。
早紀は、民間の科捜研に3つの音声データの解析を依頼するた。留守番電話の音声、津田の声、そしてもうひとつボイスレコーダーで録音した音声だ。その“もうひとつの声”こそ、早紀が真犯人だと睨んでいる人物のものだと推察された。
井沢たちは、早紀が毒物を手にしていることから、ターゲットが店の客である可能性を考え、顧客リストと猟銃所有者のリスト、深美山の入山リストを照らし合わせる。そこで一致したのは、最高裁判所長官を退任し、政治家への転身を表明した小松原忠司(中丸新将)だった。七海が死んだ日、小松原は有害鳥獣駆除のため深美山に入っていた。考えられるのは、小松原が七海を誤射してしまい、それを隠蔽するために津田の事件に見せかけたのではないか、ということだった。実は早紀は、店に来た小松原が、ノンフィクションの本を出そうと目論むジャーナリストと津田の接触について話しているのを偶然聞いていた。
小松原は、初めての街頭演説後に、早紀の店で宴会を開く予定だった。早紀が用意していた毒物を別のものにすり替える小田切。ところが、事態は急転する。小松原が、参加人数が増えたという理由で宴会をキャンセルしてきたのだ。井沢たちは、姿を消した早紀を追って、小松原が街頭演説をしている場所へと急いだ。
早紀は、懐に包丁を忍ばせ、演説を終えて支持者たちと握手をしている小松原に近づいていた。そこにやってきた井沢は、早紀の手を掴んで犯行を阻止した。井沢は、復讐を成し遂げたいと懇願する早紀に、留守番電話の音声のことを話す。「助けて……」という声に続いて最後に入っていた高い声――それは「お母さん」という声だった。七海は、早紀が実の母親であることに気づいていたのだ。早紀の目から涙が溢れて……。
別の日。現地で桜木の捜査が打ち切られたことを知った山内は、東堂に再捜査を直訴する。
一方、小松原は、とあるホテルの宴会場にいた。電話をしながらエレベーターホールにやってきた小松原は、何者かに背中を押され、扉が開いていた点検中のエレベーターの穴に転落してしまう。
山内は、戻ってきた桜木の遺品を確認していた。すると彼女の手帳に「イザワノリト」と記されていることに気づく。
東堂は、小松原が転落死したというニュースを見ていた。その手元にある危険人物のリストには井沢の名前が記されていた……。
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