2018.07.10更新
公安外事第二課のエリート刑事だった井沢範人(沢村一樹)は、ある事件がきっかけで総務部資料課分室への異動を命じられる。
資料課分室のメンバーは、痴漢容疑者への必要以上の暴行で異動させられた小田切唯(本田翼)、入庁以来資料課にいる人づき合いが苦手な南彦太郎(柄本時生)、さまざまな部署をたらい回しにされてきた田村薫(平田満)という、警察内のトラブルメーカーばかり。だが、実はこの資料課分室には、刑事企画課特別捜査官・東堂定春(伊藤淳史)が中心となって秘密裏に進められてきたある重要プロジェクトが託されていた。それは、日本国民のあらゆる個人情報――通信記録や金融機関の出入金記録、監視カメラの映像といったビッグデータを解析し、過去15年分の犯罪記録と照らし合わせることによって、AIがこれから起こる重大犯罪、主に殺人を犯す可能性が高い危険人物を割り出す未然犯罪捜査システム、通称『ミハン』システムの実用化プロジェクトだった。
一方、特殊捜査班のメンバーだった山内徹(横山裕)は、バディを組んでいた桜木泉(上戸彩)の失踪事件がきっかけでチームが解散になった後も独自に彼女の行方を追い続けていた。だが、やがて捜査は行き詰まり、その無力感と警察組織への不信感から上司を殴ってしまい、資料課分室への異動を命じられる。
井沢たちは、ミハンシステムがテストケースNo.4として割り出した民自党・高山啓子(谷川清美)議員による秘書殺害計画を、潜入捜査の末、未然に防ぐ。しかし山内は、冤罪を生み出す可能性もあるミハンシステムに対して疑念を抱いていた。ミハンシステムが割り出すのは殺人を犯す危険性のある人物。しかし、いつ、どこで、誰を、なぜ殺すのかはわからない。「公にはできない捜査で、あなたたちの身に何かが起きても警察は助けてくれない。切り捨てられて終わりだ」。山内は、そう井沢に告げる。
そんな中、ミハンシステムがテストケースNo.5の危険人物を割り出す。株式会社リッチ・ウエスト経営者・富樫伸生(武井壮)だ。富樫は、共同経営者の西田俊(米村亮太朗)ともに都内の有名クラブを経営する一方で、海外配信のアダルトサイトなどグレーゾーンのビジネスを手がけている人物。富樫には、ネットの闇市場でサイレント銃を購入した履歴のほか、奥多摩の山奥にひとりで出かけた記録もあった。また、彼のネット口座には、1年前から月に一度、会社とは別の収入源からかなりの額が振り込まれていた。
井沢たちは、仲間内でのトラブルも視野に捜査を開始。山内を、富樫の店にバーテンダーとして潜入させると同時に、富樫が拠点にしていた事務所に忍び込む。そこで井沢は、極端に片づけられている箇所があることに気づく。田村が持参したルミノールを噴射すると、壁や床一面が青白く光った。すでに事件は起きていたのだ。
DNA鑑定の結果、その事務所で殺されていたのは富樫だと判明する。井沢たちは、何故ミハンが富樫を危険人物だと割り出したのか調べるために西田をマーク。彼が、総合商社W&Jトレーディングカンパニー社員の須藤修一(成河)と、貴金属店経営者の前川健司(山本浩司)を拉致して脅していたことを掴む。須藤は、開発途上国のエネルギー事業に従事しており、前川とは高校時代からの親友だった。
ほどなく、富樫が消息不明になった時期に、須藤が奥多摩山中にいたことがわかる。すると山内は、その場所で何者かが遺体を埋めていたのを見た、と匿名で通報してしまう。見つかったのは富樫の遺体だった。ミハンの予測は間違っていたのだからこれ以上ターゲットを泳がすべきではない、という山内。しかし東堂は、何故こういう予測が出たのか原因か知りたい、と言って、井沢たちに捜査の続行を命じる。
須藤の会社への潜入捜査や、金の流れを追っていた南の調査から、須藤がエネルギー開発費を水増しして行っていた投資に失敗していたことが明らかになる。須藤は、富樫の金を使ってその穴埋めをしようとしていた。彼らが行っていたのは金塊の密輸だった。
富樫と須藤の接点を追っていた山内は、須藤が富樫の息がかかった名簿業者から多重債務者のリストを買ったことがきっかけだと知る。須藤は、多重債務者を金塊の運び役にしていたのだ。それを知った富樫は須藤の計画に首を突っ込み、トラブルになったものと思われた。西田も富樫を殺したのは須藤だと考えており……。
そんな折、ミハンが須藤を危険人物としてリストアップした。井沢は、ミハンに対して批判的な山内に、富樫の遺体が発見されて警察が動き出し、西田からも疑われている須藤は何をするかわからない、その引き金を引いたのは君だ、と言い放つ。
同じころ、桜木泉(上戸彩)はベトナムに潜伏していた。すると彼女の潜伏先に何者かが押し入ってくる。異変を察知した桜木は、部屋を飛び出して逃亡する。
前川の店に仕掛けておいた盗撮映像から、須藤たちの計画が明らかになった。香港で買い付けた1億円分の金塊を、10人の運び屋を使って仁川発成田行の便で運び込む算段だった。須藤は、密輸を成功させ後、西田を殺害する可能性が考えられた。また須藤は、西田の部下にも金を掴ませていた。
犯行当日、井沢たちは、須藤と西田をマークする。すると西田が、成田空港にいる須藤の元へと向かった。運び屋の動きも計画とは違うことに気づく井沢たち。実は須藤は、西田を引き込み、金塊の半分を彼に渡そうとしていたのだ。富樫が持っていた銃を手にしていた須藤の狙いは、前川が出資した分の金塊を奪い、彼の口を封じることだった。
須藤は、はめられているとも知らずにやってきた前川をスタンガンで気絶させると、彼を山奥へと連れていく。そこに現れたのは、Nシステムを使って追っていた井沢と山内だった。須藤は、富樫を殺したのは正当防衛だと主張すると、井沢に向かって発砲する。井沢は、そんな須藤を組み伏せ、狂気的な表情を見せて彼に銃を向けると続けざまに撃った。銃弾は須藤の顔を避けて周りを打ち抜いていた。
須藤、西田、前川は逮捕された。事件は、警察庁次長・町田博隆(中村育二)と東堂によって処理されていた。その東堂の元に、桜木が遺体で発見されたという連絡が入る。東堂からその話を聞かされた山内は、大きな衝撃を受け……。
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