2018.03.26更新
3月25日放送の『スポーツLIFE HERO’S』は、フェンシングの松山恭助選手に密着。東京オリンピックで復権を目指す日本のフェンシング界で、“レジェンド”太田雄貴さんも高く評価する、若きエースに注目しました。
2016年のリオオリンピックで、日本フェンシング界のパイオニア、太田雄貴選手が引退。そんな中、次代の若き才能が、世界の頂点を目指し東京オリンピックを見据えています。それが、松山恭助選手です。高校時代はインターハイ3連覇。2016年には全日本選手権を制し、日本代表のキャプテンも任されました。この活躍に“レジェンド”太田雄貴さんも「松山選手は、名実ともに(日本の)エースと言って間違いないと思います」と、舌を巻きます。2017年に入っても、松山選手は、アジア選手権3位(団体)、ユニバーシアード準優勝(個人)、高円宮杯ワールドカップ3位(団体)など、世界を相手に結果を残していきました。
松山選手が戦うフルーレは、背中を含む胴体だけに攻撃が許されています。その中で彼が得意にしているのが「ジャンピング振り込み」という技です。「相手の剣をブロックして縮こまっているとき、お腹とかのラインに打ち込むスペースがないなと思ったときに、上からジャンプして決める」というもので、松山選手が世界と戦う上でも大きな武器となっています。
松山選手の兄・大助さん
そんな松山選手には、フェンシング人生に欠かせない特別な存在がいます。それは、同じ早稲田大学に通う兄の大助さん。世代別の日本代表にも選ばれた実力者です。大助さんは弟について「小さいころは、僕のマネをすることが多かった。ボクと一緒にいることが楽しい。むしろ最初の方は(フェンシングより)そっちを楽しんでいるようだった」と振り返ります。幼いころから互いに切磋琢磨してきた松山兄弟は、世界でも好成績を収めてきました。しかし、大助さんは大学卒業後、競技の第一線から退くことを決意。ふたりは昨年、兄弟で挑む最後の全日本大学選手権で、日本一に臨みました。1チーム4人で戦う団体戦で、松山兄弟の早稲田大学は、ふたりの活躍で順調に勝ち進みました。しかし、迎えた準々決勝で思わぬ苦戦を強いられ無念の敗退、ふたりの願いは届きませんでした。大助さんは「少しでも恭助にラクをさせようと思って頑張ったんですけど、勝って笑って終われなかったのが悔しい」、松山選手は「(兄は)持っている力は出してくれたと思う。自分がもうちょっとできたら、というところが大きい」と、互いに悔しさをにじませました。
そして、大助さんは手紙に思いを込め、弟に夢を託します。そこには「“兄は弟の最大の味方”です。東京五輪に日本代表として出場して世界一になってほしい」と書かれていました。手紙を受け取った松山選手は、大助さんとガッチリ握手し「(五輪に)出るだけじゃなくて優勝を狙いたいなと思っている。自分が勝つことだけに集中すれば、それがみんなに幸せを与えられると思うので、それだけに集中して頑張っていきたいと思います」と語り、2020年に向けて思いを新たにしていました。
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