2017.04.19更新
バカリズム「(梅沢さんを)大好きだからこそ、良かれと思って言わせていただきますという……」
カズレーザー「ボクらもツラいんです!」
澤部佑「オレ芸能界で一番好きですよ、梅沢富美男が!」
劇団ひとり「一番好きなジジイですよ!」
ゲストで登場し「俺のこと好きじゃねぇだろ」と疑う梅沢富美男を、MCの4人が持ち上げながらも軽く落とす。『良かれと思って!~今お節介したい芸能人を緊急呼び出し!初回90分SP~』(4月19日放送)の一コマだ。
左から)澤部佑(ハライチ)、バカリズム、劇団ひとり、カズレーザー(メイプル超合金)
『良かれと思って!』は、MCの4人 (バカリズム、劇団ひとり、澤部佑[ハライチ]、カズレーザー[メイプル超合金] )がゲストに「愛のあるダメ出し」を聞いてもらうトークバラエティ。スタンスはあくまで「良かれと思って」。上から目線のアドバイスではなく、地面に片膝をついて「世間ではこう言われているみたいですが……」とお節介ながらも申しつけるイメージである。
しかし、次世代のMCの座を担う4人のこと、ただ報告するだけでは終わらない。「世間の声」を後ろ盾に失礼ギリギリのラインを突いていく。そのトークを支えるのは巧みな「アホな振り」だ。
初回のゲストは梅沢富美男と小倉優子&アンミカの2組。梅沢富美男のパートでは、家族に聞いた「梅沢富美男に直してほしいところ」と、テレビ局との揉め事をまとめた「梅沢富美男 出禁伝説」を軸に進行。
バカリズムと小倉優子(右)
澤部佑と梅沢富美男(右)
以前フジテレビのドラマに出演した際、監督の演技指導に反抗した梅沢さん。それ以来フジのドラマから声がかかっていないと言う。それを聞いたMCたち。
澤部 「でもその……他局からもオファー来てます?」
バカリ「出てないですよね」
梅沢 「出てるに決まってんだろ!大河は『利家とまつ』」
カズ 「あー15年くらい前ですね」
梅沢 「それから、朝ドラは『あすか』」
ひとり「……わかんない」
カズ 「……?」
梅沢 「知らねぇのか!」
バカリ「『あすか』、ちょっと調べます(スタッフに指示)」
ひとり「『あすか』ホントにある~?」
澤部 「架空の朝ドラかもしれないから」
梅沢 「ちょっ、お前ら!」
バカリズムの指示を受け、スタジオの隅でスマホ片手に顔を寄せ合うスタッフたち。しばらくしてスケッチブックに「あすか 1999年 ありました!」の文字が踊る。
梅沢富美男と劇団ひとり
梅沢 「あるにきまってんだろ!ありましたって言い方あるか!!」
ひとり「おめでとうございます!」
バカリ「事実です事実」
澤部 「やりましたね!勝訴!」
自分たちで『あすか』は無いと煽っておいて、あるとわかれば拍手で讃える手のひら返し。もちろん『あすか』が存在するのは最初からわかっているのだけど、ゲストの鼻を明かすための「アホな振り」を4人で瞬時に連携させてしまう。
即興劇に強い劇団ひとりを筆頭に、番組中の至るところでアホな振りの連携を組むことで、ゲストのガードを1つずつ解いていくのだ。
また、即興のみならず事前の仕込みも効いている。なぜかCMに使われない、と梅沢さんが愚痴れば「なぜ梅沢さんを使わないのか? を実際に聞いてきました」と広告業界200社にアンケートを取ってくる(「顔に品が無い」など回答をもらう)。
紅白のリハなんて4回も必要無いんだよ!とキレれば「歌う梅沢さんがどれだけ動かないか(=リハが必要無いか)見てみましょう」とVTRで検証する。
スタッフ側も「アホな振り」をして素材を用意している。
レギュラー陣の中で、カズレーザーはこの番組で初めてゴールデン・プライムタイムのMCを務める。トークでは他の3人の達者さに埋もれてしまいがちだが、「アホな振りをして聞く」人材としてこれほど適した若手はいない。
カズレーザーはかつて『聞きにくいことを聞く』(テレビ朝日)に出演した際、「アグネス・チャンに『なんで日本語うまくならないの?』と聞け」という指令を下されたことがある。この難題に全く動じないカズレーザー。「肩書きさえ気にしなければタダの人間ですから」とヘラヘラしたまま現場に入り、戸惑うアグネスを前に「なんで?」と直球で聞き出してしまった。
この鋼のメンタルが今後『良かれと思って!』で発揮されたら、いい意味でさらに場が乱れるはず。他の3人が慌てる姿も見たいし、トークバラエティの予定調和がガラガラと崩れる瞬間を目撃したい。
この4人ならトラブルが起きるほど面白いんじゃないか…って、いや、これも良かれと思って…、良かれと思って言ってますからね!
文○井上マサキ
掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。