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マイ・ブルーベリー・ナイツ

■INTRODUCTION
旅と距離をテーマに、アメリカで描く新たな愛の側面
2007年第60回カンヌ国際映画祭にてオープニングを飾った話題作が、いよいよ日本上陸。監督は、『恋する惑星』『2046』で眩暈がするほど美しく濃密な愛を描いてきたウォン・カーウァイ。前作『2046』で「時間」をテーマにした監督が、今回選んだテーマは「距離」。独特のスタイリッシュな映像、夢うつつの雰囲気はそのままに、アメリカを舞台に新たな愛の側面を描く。監督初の英語映画に、かつてない豪華アンサンブル・キャストが集結。失恋を乗り越える女性エリザベスを演じるのは、グラミー賞8冠の栄光に輝くノラ・ジョーンズ。待望の映画デビューを果たした。そして、全員アカデミー賞の受賞者と候補者であるジュード・ロウ、デイヴィッド・ストラザーン、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマンの超一級キャストが脇を固め、愛に彷徨う人々を時に切なく、時に優しく、演じる。

失恋したエリザベスは何を求め、旅に出るのか?
恋人の心変わりで失恋したエリザベスは、彼の家の向かいにあるカフェに出入りするようになる。毎晩ブルーベリー・パイを残しておいてくれるオーナーのジェレミーと話すことで、自分を慰めようとするエリザベス。2人の距離が縮まってきたように思えたある日、エリザベスは突然ニューヨークから旅立つ。そして、半年後、ジェレミーの元に1枚のハガキが届く。「あなたのブルーベリー・パイは世界一おいしい」。ジェレミーはエリザベスを探し始めるのだが・・・。

あなたに近づくための5,603マイルの旅
ひとつの恋を忘れ、次の恋に進むためには、どれほどの「距離」が必要なのか?失恋から始まるその果てしない道のりを、ウォン・カーウァイが時間、空間、色を巧みに操り、描き出していく。エリザベスは失恋した自分を慰めてくれるジェレミーに好意を抱くが、どこか距離を感じる。カフェの扉やカウンターがその隔絶を象徴し、スコープサイズがさらにそれを強調する。ジェレミーとの新たな恋に踏み出せないエリザベスは、新たな自分を探すため、旅に出る。そして、愛に傷ついた人々と出会う。見守るような優しく滑らかなカメラワーク、居たたまれない気持ちを代弁するような音楽ときらびやかな電飾でウォン・カーウァイは特有のドリーミーな世界を醸し出しながら、彼らの心情を浮き彫りにしていく。それを受け止め、前に進む勇気をもらいながら、エリザベスは徐々に人として成長していく。その成長した自分の姿を知って欲しかった相手が、ニューヨークにいるジェレミーだった。旅先からジェレミーに手紙を書くことにより、離れていても、エリザベスは彼への想いを醸成させていく。ウォン・カーウァイはこのラヴストーリーを描くにあたって、普通のラヴストーリーに見られるような、2人の人間が対峙する単純な構成ではなく、逆に2人の間の物理的な距離を広げつつ、美しい台詞で心の距離を丁寧に埋めていくという構成を選び、見事に成功している。そして、ブルーベリー・パイをモチーフに、苦い失恋から出発した旅を、甘い恋の予感で締めくくる。

最高のコラボレーションがもたらす、至福の時間
ウォン・カーウァイ映画特有の極上感は、一流キャスト、スタイリッシュな映像、そして心酔わす音楽。主演は、世界中で3,500万枚のアルバムセールスを記録するノラ・ジョーンズ。切ない恋心を包み込むような優しい歌声で世界を魅了する歌姫が、等身大の女性を見事に演じる。そして、ジェレミー役に『コールド マウンテン』でアカデミー賞ノミネートのジュード・ロウ。エネルギッシュかつ誠実なカフェ・オーナー役で、新たな一面を見せる。エリザベスが旅先で出会うアーニー役には『グッドナイト&グッドラック』でアカデミーにノミネートされたデイヴィッド・ストラザーン。妻に捨てられアルコール中毒になった男を圧倒的存在感で演じる。その元妻役スー・リンに『ナイロビの蜂』でアカデミー賞受賞のレイチェル・ワイズ。愛の呪縛から逃れられず苦しむ女性を内側から輝くような美しさと、小悪魔的魅力でリアルに演じる。レスリー役に『クローサー』でアカデミー賞にノミネートされたナタリー・ポートマン。父親の死に直面する強気なギャンブラーの葛藤を繊細に演じる。監督が初めてアメリカを撮るにあたって大切にしたのは、アメリカを忠実に描くこと。そのため、アメリカを3回横断した。そのロケハンの旅に同行したのが、アカデミー賞ノミネートの撮影監督、ダリウス・コンジ。ニューヨークの摩天楼と、雄大に広がるRoute66の風景を、スコープサイズで見事に映像として捉えた。また、脚本がない独特の撮影方法で知られるカーウァイだが、今回は英語のリアリティを追求するため、MWA賞受賞の人気ミステリ作家ローレンス・ブロックが脚本に参加。監督が書いたストーリーラインを元に、繊細でリズミカルな脚本を書き上げた。音楽は、数々の記憶に残る映画音楽を手がけてきた『パリ、テキサス』のライ・クーダー。独特のスライディング・ギターで愛に揺れる女性の心情を浮き彫りにする。また、主演のノラ・ジョーンズが新曲「ザ・ストーリー/The Story」を書き下ろした。

2人の人間を隔てる距離は見た目には僅かでも、時として彼らの心はひどく離れている。
『マイ・ブルーベリー・ナイツ』は、その距離を様々な角度から描いている。
私はそうした隔絶感を象徴的に、またありのままに探求し、それらを克服する道のりを描きたかった。
───────── ウォン・カーウァイ     Wong Kar Wai

ウォン・カーウァイ監督最新作は超豪華オールスター・キャストで贈る
極上のスイーツのようなラヴストーリー

■STORY
失恋したエリザベス(ノラ・ジョーンズ)を慰めてくれたのは、カフェのオーナー、ジェレミー(ジュード・ロウ)が焼く甘酸っぱいブルーベリー・パイだった。
それでも、別れた彼をエリザベスは忘れられない。彼が新しい恋人といる部屋を見上げ、エリザベスは旅に出る。

失恋から57日、ニューヨークから1,120マイル、彼女はメンフィスにいる。
別れた妻への愛を断ち切れず、アルコール中毒になった男と、その元妻と出会う。

失恋から251日、ニューヨークから5,603マイル、ラスベガスに来た。
人を信じないことを信念とする、若く美しいギャンブラーに出会う。

彼らの人生を、自分のと照らし合わせ、エリザベスは思う。
人を愛し、信じることって、いったい何なんだろう。
それを真っ先に伝えたい相手が、遠くニューヨークにいる、ジェレミーだった。
「あなたのブルーベリー・パイは世界一おいしい」
エリザベスは、ニューヨークに戻りたいと思い始めた・・・

■CAST
ノラ・ジョーンズ(エリザベス)
ジュード・ロウ(ジェレミー)
ナタリー・ポートマン
レイチェル・ワイズ
エド・ハリス
ティム・ロス
デヴィッド・ストラザーン

■STAFF
キャスティング:エイヴィ・カウフマン
ライン・プロデューサー:アリス・チャン
            パメラ・サー=ウィアー
衣装デザイン:ウィリアム・チャン、シャロン・グローバーソン
音 楽:ライ・クーダー
音楽監督:スティーヴ・マックラム
     グアダループ・ジョリクール
編 集:ウィリアム・チャン
プロダクション・デザイン:ウィリアム・チャン
撮 影:ダリウス・コンジASC,AFC
製作総指揮:チャン・イーチェン
製 作:ジャッキー・パン
ストーリー:ウォン・カーウァイ
脚 本:ウォン・カーウァイ、ローレンス・ブロック
製作・監督:ウォン・カーウァイ


2007年フランス=香港
ストゥーディオ・キャナル提供
ブロック2ピクチャーズ制作
宣伝協力:ファントム・フィルム、アンリミテッド
提 供:アスミック・エースエンタテインメント
    フジテレビジョン
配 給:アスミック・エース

 

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