『民衆の敵』への出演を知られた時の感想はいかがでしたか?

「篠原(涼子)さん演じる智子の夫役なの?って(笑)。僕はどちらかと言うと(高橋)一生さんや、(千葉)雄大くんが演じている新人議員役じゃないかな?と、思ったんです。えっ?旦那さん?へー…みたいな感じでした(笑)。でも、篠原さんとはお芝居がしてみたかったので、嬉しかったです」

では、台本を読まれた時は?

「まず、智子との夫婦関係がこういう感じなんだと読みました。でも、最初の夫婦の形と、智子が市議になってからの関係が全然違うので、最終的にどうなるんだろう?と、楽しみになりました。智子と公平と駿平(鳥越壮真)の家族でのシーンは、主に政治ではない面を担当しているので、視聴者のみなさんにホッとしていただける…あくまで、市議になった智子も含めて一般市民の気持ちに寄り添う感じにしなくてはいけないと思いました。でも、僕が演じる公平がただただ良い人すぎて…自分からは何も言えないです(笑)」

第1話の仲良し夫婦ぶりも面白かったです。

「はい。何をするにも一緒で、仕事も二人一緒になくしちゃいましたから(笑)」

智子が市議になると、公平は“イクメン”になりました。

「はい。僕にも駿平と同じ歳の子供がいるので、イクメンを演じるのは楽しいです。僕自身がイクメンかどうかは自分では良くわからないですけど(笑)」

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そんな公平をどのように思われますか?

「リスペクトですね。僕は仕事を奥さんに任せるというか、女性に養ってもらうという感覚がないんですよ。古いのかもしれませんが、例えば女性と食事して払ってもらったり、割り勘さえも無理なんです。公平は寛容で、しかも子供の面倒を率先してみるんですよ。僕自身は子供と外出するのはいいんですけど、僕の子供が女の子っていうのもあるのかな? 家での遊びがどうしてもママごとになるじゃないですか。そうすると、なんで仕事で芝居して、家でも芝居しなきゃいけないんだ? と、なっちゃうんです(笑)。公平はそれをずっと続けているわけで、しかも家事もやるわけですから本当に尊敬してしまいます。智子、家族への無償の愛はすごいと思います」

今回は政界が描かれていますが…。

「恋愛要素が全くない月9って、スゲェな! と、最初は思いました(笑)。僕自身は政治に興味があると言っても、ないと言っても嘘になりそうなすごく普通の感覚です。選挙で投票しても何も変わらないでしょ? とか、誰を信じて良いのかわからない気持ちもありますし…。それでも投票しなくちゃ! という感覚もあります…。僕は台本を読んでいて、智子が政界で奮闘する姿が好きですね。でも、もし智子が偉くなったら公平はどうするんだろう? とも、思っています。それでも、公平は家族をひたすら支えるメッチャいいヤツでしょうけど(笑)。政界のシーンは、ほぼ僕の出番がないのでどんな感じになっているか分からなかったので、オンエアで見るのが毎回の楽しみになっています」

智子は“しあわせになろうね”というスローガンで選挙戦を戦いましたが、田中さんの思う“しあわせ”は?

「それは、本当に人によってそれぞれに感覚は違うと思います。でも僕は、その人から見たみんなが笑っている状態が幸せなんじゃないかな? と思います。周りが笑っていたら自分も幸せになれそうですよね」

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佐藤夫婦はステーキが食べられなくても、最初から幸せでしたよね?

「そうですね。1話はすごく幸せだったと思いますよ。家族そろって笑ってばっかりでしたから。でも、智子が市議になって肉を食べた頃までは良かったんですけど、彼女がどんどん政界の深みにハマっていくと、智子自身も駿平も確実に家族の笑顔が減っていきます。まだ、ゴールがわからないから何とも言えませんが(インタビュー時点)、家族にとってどちらが幸せか? という問いかけにはなっていると思います。人って真剣に戦っている時になかなか笑顔にはなれません。戦えば戦うほどそうなってしまうんですが、公平としては笑っていなければいけないんじゃないかと思ったり…。僕も普段、こうして聞いていただくことでもなければ何が幸せかってわかりませんから…。物質的な豊かさなのか? 心の安定感みたいなものなのか? なんて…」

では、ドラマのサブタイトルに“世の中、おかしくないですか!?”とありますが、田中さんが身近に感じるおかしいことは?

「むちゃくちゃたくさんあります! 職業的に身近なことだと、テレビ番組で徹底討論といった番組に、ほぼ議題となる本人たちがいないんですよ? そんなところで徹底討論っておかしくないですか?って(笑)。世界的にもテロなどがエスカレートしていくのも、おかしくないですか?と思います」

篠原さんと演じて、いかがですか?

「やっぱり面白いです。歌でテッペンを獲って、女優でもテッペンを獲っている方ですから。人間的にもお芝居の感性もすごく豊かな方なので、ご一緒できて良かったです」

最後に視聴者のみなさんにメッセージをお願いいたします。

「“世の中、おかしくないですか!?”。おかしいんです。何でおかしいのか?このドラマを通して、僕もですけど政治が身近なものだと少しでも感じていただいて、その答えをみなさんなりに見つけていただけたらと思います。そんなことを言いながら、僕が演じる公平は一切政治には関わりませんけど(笑)。最後までどうなるのか? と、期待しながらご覧ください」

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