2017年3月19日(日)放送
話しかけながら介護を行う認知症ケアの手法『ユマニチュード』と呼ばれる研修会が
東京都内で開かれたいた。
『ユマニチュード』とは、フランス発祥の認知症ケアで、
“見つめる”、“話す”、“触れる”といった“人間らしさ”をより大切にした
新しい介護の手法、フランス人のイヴ・ジネストさんらが考案。
「ユマニチュード」の特徴は―
こんにちは。
と患者と目を合わせる。
お元気そうですね、笑ってくれてうれしいです。
と話しかける。
そして、やさしく触れる。
例えば、介護される男性に対して、介護する側の都合で強く指示をすると
男性は攻撃的な言葉を発していた。
しかし、『ユマニチュード』の手法を取り入れると、会話が成立し、
お願いした事をやってくれた。
「ユマニチュードの考え方は、やさしさ、結びつき、そして愛。
力づくではないケアが大事」
と話すユマニチュード発案者・イヴ・ジネストさん。
力づくの介護ではなく“人間らしさ”を尊重し、患者の自立につなげようという
『ユマニチュード』。
簡単に思えるが、実は介護の現場の大きな課題。
「介護する側の都合で介護される人を動かしてしまっているというのがあった。
介護される人も1人の人として人生を尊重しながら生きてほしい
と思うところもあったが、忙しさについ…」
と話すのは研修会に参加していた介護士。
忙しい介護の現場。
介護士の負担を減らすことも『ユマニチュード』の大きなテーマ。
例えば、患者をベッドから移動させる際、力まかせに引っ張ってもうまくいかない。
しかし、足をひらいて、膝をつけて胸を張って腰を落とすというだけで
楽に移動させることができる。
正しい姿勢を身に着けると、体への負担は大きく減るという。
介護の悩みの解決法の1つとして注目される『ユマニチュード』。
今後、導入が広がりそうだ。