2017年3月11日(土)放送

「永島キャスターが見た 現在のJヴィレッジ」

福島県楢葉町と広野町に跨る『Jヴィレッジ』。
1997年7月、日本初のサッカー・ナショナルトレーニングセンターとして
オープンし、“サッカーの聖地”と言われた日本屈指のサッカー施設だ。

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少年サッカーの全国大会が開催されたり、日本代表も利用するなど年間約50万人が
訪れていた。
永島キャスターも日本代表合宿の取材などで何度も訪れたという。

しかし、福島第一原発から約20km地点にあるこの場所は、
東日本大震災後、原発事故収束の拠点となった。
このため、車や資材などで埋め尽くされ、連日、数千人の防護服を着た作業員が
行き来していた。

震災直後の時刻で止まったまま残された時計。
メインスタジアムの場所は東京電力職員の仮設宿舎に様変わりしていた。

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Jヴィレッジが本来のかたちで使用できない間、施設の職員たちは、
地域貢献の一環として、仮設住宅周辺でジムを開き、体操教室や子供サッカー教室を
行っている。

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「避難の身になって、運動する機会もなかなか自分で見つけることができなくて」
と施設を利用する仮設住宅に住む女性。

2015年9月までに避難指示が全て解除された楢葉町と広野町。
しかし、帰還した住民は1割程度。
そんな中、2016年12月からJヴィレッジの復旧工事が始まり、
サッカーグランドがあった場所には高く積まれた土砂やその周辺で重機が音を立てて
作業を行っていた。

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「今はまだまだ土木工事の段階で、昔のグリーンの青々とした芝生のイメージはないが、2017年の夏ぐらいになると徐々に緑が増えてくる」
と感慨深く語るのは日本フットボールヴィレッジ・小野俊介取締役。
この6年間、またスポーツができる日が来るとは考えられなかったという。

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2018年にはここに緑色の芝がよみがえり、
2019年4月、グラウンド10面に加え、日本初の屋根付きの全天候型練習場も
新設されて完全復旧する予定だ。

「Jヴィレッジがもう一度元気になって、また多くの人がここでサッカーをやるように
なれば、町民も町へ帰ろうというようなモチベーションになれると思う」
と語る小野俊介さん。

復興の起爆剤、笑顔あふれるスポーツ施設として、Jヴィレッジは新たな一歩を
歩み始めた。