2016年12月17日(土)放送
2017年1月から『セルフメディケーション税制』という新たな制度が始まった。
この新しい制度は、スイッチOTC医薬品、いわゆる処方箋なしで購入ができる風邪薬などの“市販薬”の購入額が、年間で12,000円を超えた分が、その年の所得から控除されるというもので、上限は80,000円。
例えば、所得税の税率が10%の人が、
対象の医薬品を年間で30,000円購入した場合は、
(30,000−12,000)×10%=1,800円となり、
この金額が減税される計算だ。
『セルフメディケーション税制』の対象となる処方箋なしの風邪薬や胃薬などは1500品目以上もあり、厚生労働省のホームページで確認ができる。
新しい制度ができた背景には年々増え続け、平成27年度に41兆円を超えた医療費を抑える狙いがあるという。
比較的軽い病気なら病院を使わず市販薬での治療を促し、
医療費の削減につなげようというものだ。
しかし、制度がスタートする1カ月前の2016年12月、ドラッグストアや薬局で
売られている風邪薬や胃腸薬などの市販薬に表示されている
『セルフメディケーション税制』のマークを見た街の人の反応は、
“知らない”“全くわからない”という答えがほとんどで、
ある市場調査でも25%程度という低い認知度だった。
この控除を受けるためには、会社の定期健康診断やインフルエンザの予防接種を受けるなど、自分で健康管理を行う必要があるという。
さらに、この税制の注意点について、経済ジャーナリスト・荻原博子さんは、
「医療費控除と一緒に使用できない。
利用する際は『セルフメディケーション税制』で控除を受けるか、
従来の『医療費控除』にするのか。
税金がより多く戻って来るはどちらなのかを比べてから使われた方がいい」
と指摘した。