2016年12月4日(日)放送

「『本のまち構想』赤字覚悟の新戦略 八戸市民の反応は」

『読書』に関する文化庁の調査結果では、1カ月間で1冊も本を読まないと答えた人は50%近くにのぼっていて国民の『活字離れ』が指摘されている。

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そんな中、2016年12月、青森県八戸市で“図書館”ではなく、全国でも珍しい市が
運営する“書店”がオープン。

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広々とした店内に並ぶ約8,000冊の書物。

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ドリンクを片手に好きな本を探す人やハンモックに腰かけながら読書を楽しむ人。

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愛や命に関する普遍的なテーマの本のコーナー。
そして、背の高い本棚で囲まれた“本の塔”のコーナーには、自分を見つめ直したい人に
最適なこだわりの本が―。

「展示の仕方も普通の書店ではなかなかできない」
と女性来店客。

八戸市がオープンした『八戸ブックセンター』は読書好きにはたまらない施設だ。
『本のまち八戸』という構想を掲げていて、本を読む人、書く人を増やし、
“本で街を盛り上げること”を目指している。

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公営書店の運営はこれまでに北海道礼文町など少なくとも5カ所あったが、どこも書店や
図書館のゼロ地域解消が目的だった。
ところが八戸市の場合は、この市営書店から歩いて10分足らずの場所に立派な
市立図書館があるという。

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しかも市営書店の年間運営費は、人件費など合わせて6,000万円かかるのに対し、
売り上げ目標は、約2,000万円。
年間4,000万円の赤字が予想されている。
赤字分の税金を負担する市民の反応はというと、
「赤字でもお金をかけてもいいというのが『本』、つぶれないように、なくならない
ように祈っている」

様々な市民の声に対し、『本のまち構想』を選挙公約に掲げた八戸市の小林真市長は、
「市民の福祉向上につながるし、文化の薫り高いまちという点においては、
効果があると思う。
ただ数字的に、これがあったからどういう効果がありましたというようなかたちで、
成果を発表できるものではない」
と話した。

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八戸市の取り組みは『活字離れ対策』、『地域活性化の目玉』となるのか、
それとも『税金の無駄使い』となるかが注目だ。

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