2016年7月23日(土)放送
東京・新宿区にある東京理科大学。
こちらの大学では、“人前で話をする”“コミュニケーションを取るのがちょっと苦手”という理系学生に、お笑い芸人が『笑育(わらいく)』と呼ばれる特別授業を2016年5月からスタート。
“笑い”と“教育”を融合させたれっきとした授業で、芸能プロダクションの松竹芸能と東京理科大学・井藤元専任講師が共同でプログラムを開発。
プロのお笑い芸人から思考力や発想力を学ぶもので、学生が漫才の台本をゼロから作って、実際に人前で披露することが最終目標。
学生たちは熱心に漫才に取り組んでいた。
『笑育』の授業に参加している学生たちは、
「どっちかというと人自体が好きではない」、「理屈っぽいと言われる」
『笑育』を指導する東京理科大学・井藤元専任講師は
「人前でプレゼンを行う、コミュニケーションを取るというところで、苦戦する学生も中にはいて、なんとか力になれないかなという気持ちがありまして…」
と話す。
取材したこの日、お笑いコンビ“オジンオズボーン”をゲスト講師に迎えて、“個性をどのように見いだすのか”や“ツッコミのコツ”などのテーマを徹底的にディスカッションするという授業が行われていた。
8回の授業を重ね、最終回となる日、学生オリジナル漫才ナンバー1を決める発表会“理−1グランプリ”が行われた。
初の栄冠に輝いたコンビは息もピッタリのネタを披露していた。
『笑育』を通じて2人が得たものとは―
グランプリとなった和田一毅さんは
「教員志望なので、話し方も漫才だったらお客さんに伝えなくてはいけない。
その伝え方が教師になるうえで、重要だと思ったので、その辺が変わった」
同じくグランプリの錦織護直さんは
「自分にないものをどんどん吸収できた授業が9回あったので、すごく成長できた」
と話し、苦手意識は克服できたようだ。
「東京理科大で(笑育を)行って、社会人や大学生に、かなり有効だと手応えを感じている。
今後は、企業研修や就職活動前の学生に応用できると思う」
と授業を監修した井藤専任講師は確かな手応えと新たな可能性を見出していた。