2016年3月12日(土)放送

「百獣の王が間近に 多摩動物公園『ライオンバス』が休止へ」

世界で初めての乗車しながらライオンを間近でみることができる東京・多摩動物公園の『ライオンバス』。

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子供たちに親しまれ、年間30万人が乗車したという『ライオンバス』は、約50年間運行してきたが、2016年4月から長期のお休みに入った。

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『ライオンバス』の運行が始まったのは1964年。
初代園長が“野生に近い形の展示がしたい”という思いで始めたという。
バス乗り場のモデルとなったのはアフリカ・ケニアの首都ナイロビのモスク。

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異国情緒あふれる空間と、間近で見られるライオンの迫力で人気を博し、わずか2年で累計乗車人数が100万人を超えた。
また、1971年には、昭和天皇もご夫妻で乗車した。
その後も乗車人数は増え続け2014年には、累計2000万人を達成。

人気の秘密は、“見せ方の工夫”―。
窓は視界を遮らないよう格子を使わず強化ガラス2枚を合わせただけで、バスの外の窓枠には馬肉を仕込んでいた。

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約50年の間にバスは5回代替わりをしたが、バス乗り場の建物は運行開始当初のままで老朽化が進んでいた。

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このため建て替えることが決まり、それに伴いバス運行を2016年4月から休止することになった。

来園者からは、
「寂しい」、「ライオンバスを目当てに来ていたので…」
という『ライオンバス』の休止を惜しむ声がたくさん聞かれた。

バス乗り場の建て替え工事は、早くても3年以上かかる見込みで、今後は、バリアフリーや新たな展示法も取り入れる予定だという。

「シンボル的な建物がなくなるというのは名残惜しさがある」
と多摩動物公園飼育展示課・谷口敦係長は語った。

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ライオンは一部エリアで引き続き公開される。
より充実した施設で全面再開されることを心待ちにしたい。