2016年2月20日(土)放送
約700万人―。
この数字は、近くに食品などを扱う店がないため買い物に困ってしまう『買い物弱者』の数。
高齢化社会の中、過疎地域を中心に深刻化している問題だ。
関東最東端に位置する千葉県銚子市―。
高齢化が進み65歳以上のお年寄りが全人口の約3割を占める中、2013年には、地元大手スーパーが相次ぎ閉店し、買い物に困る高齢者が増えていた。
市内を走るローカル線・銚子電鉄。
93年にわたって市民の日常生活の足として親しまれ、ぬれ煎餅の販売でも一躍有名となった。
しかし、このところは乗客が激減し、厳しい経営が続いている。
そんな中、銚子電鉄は、高齢者のための買い物代行サービス事業を立ち上げた。
注文を受けた食料品や日用品などを1人分から配達するもので『銚電楽く楽くサービス』と銘打ち、2016年1月からスタートした。
雪がちらつく中、駅前で、買い物代行事業『銚電楽く楽くサービス』を知ってもらおうと職員自らがチラシを手渡しで配るなどPR活動を行っていた。
宅配専用カーも増便し、銚電から自宅まで配達するという(配達料500円)。
「重たい物は本当に助かる、タクシーで最寄りのスーパーに行くと3000円はかかる」
と話す宅配を利用する高齢者。
高齢者にとっては、体力的にも金銭的にも嬉しいサービス。
また、地元ならではのつながりで販路が広がることもあり、取材したこの日、近所のお宅を紹介してもらい新たな顧客を獲得した。
「買い物になかなか行けない状態で、高齢の人は、助かるのではないかと思う」
と新たな顧客の高齢者は語った。
銚電楽く楽くサービス・常陸谷恭弘代表は、
「銚子電鉄沿線の方々には長年にわたってお世話になっている、我々のサービスで恩返しができればいい」
と話した。
経済産業省では、支援事業を公募し、選ばれた事業者に対して補助金を交付している。
銚子電鉄もそのひとつで、今後は、電球の交換を請け負う予定。
各事業者とも、高齢化社会の中で、きめ細やかに地域の見守りサービスを担っていきたいとしている。