2015年8月9日(日)放送
爆心地からわずか500mに位置する長崎市立城山小学校。
こちらの小学校では原爆で児童や教職員、学徒動員の女学生など1,500人以上が亡くなった。
被爆した校舎の一部は“城山小平和祈念館”として残し、当時の資料が展示されている。
毎月9日、被爆体験者から話しを聞くなど、全校児童が平和の大切さを学んでいるという。
長崎県内の小中学校では、長崎に原爆が投下された8月9日を毎年登校日にしている。
取材したこの日、城山小学校の児童たちは校内で行われる平和祈念式典に向け、準備を行っていた。
「戦争や原爆を知って、平和は大切だという思いを持ってくれる人が、一人でも増えればいいと思う」
「多くのかけがえのない命がなくなってしまう戦争をなくしていきたいと思う」
と話してくれた児童たち。
同小学校に通う5年生の川端一慶くん。
「(戦争について)先生や被爆者から教えてもらうことが多い」
と話す。
一慶くんの曽祖母・玉子さんは、22歳の時に被爆、当時、お腹の中には一慶くんの祖母がいたという。
6年前に亡くなった玉子さん。
幼かった一慶くんは曽祖母から戦争の話を聞くことはなかったという。
平和の継承について一慶くんは
「受け継ぐってことは、それをさらに“続ける”ってことだから、それを続けていかないと、また、戦争が起きるから、次の世代にバトンを回していきたい」
と話した。
これから平和の継承の中心を担っていく学校教育。
長崎市教育委員会は、
「(被爆体験者から)直接聞けなくても(被爆体験者の)2世の話しを聞くことや子供達が語り部の話しを紙芝居として表現していくなど発信していく」
と話した。
8月9日、長崎原爆の日―
登校して来た城山小学校の児童たちは、校内にある少年平和像に拝礼し、校舎へ入っていく。
学校で歌い継がれている歌『子らのみ魂よ』を合唱するなど校内では平和祈念式典が行われた。
11時2分―。
平和祈念式典を終え、一慶くんに改めて平和の継承について聞いた。
「戦争はやってはいけないということ、平和はとても大切だということを長崎から多くの国に発信していきたい」
と話してくれた。
『平和は城山から』というスローガン通り、児童たちは、しっかりときちんと平和について向き合っている。