• 2015年4月24日(金)
  • 日中首脳会談

およそ5か月ぶりに行われた日中首脳会談。
安倍総理と笑顔で握手を交わした中国の習近平国家主席は会談の席で「AIIBと一帯一路は世界の多くの国に歓迎されている」と語ったと中国メディアは報じました。

「一帯一路」とは何でしょうか?

AIIBアジアインフラ投資銀行にはすでに57か国が参加するとしていますが、「一帯一路」とは “陸と海の新シルクロード経済構想” のことで、陸と海で中国とEUまでをつなぎ、44億人、全人類の63%を網羅する巨大な経済圏を作り出す壮大な構想です。

東京福祉大学国際交流センター長の遠藤誉さんは、この経済圏を作り出すことで中国は “中国企業の海外進出” や “安全保障問題の解決”、さらには “人民元の国際化“ という野望を持っており、その先には中国が “国際金融界の覇者” を狙っていると指摘しました。

  • 2015年4月23日(木)
  • アジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年首脳会議

首相官邸にドローンが落下していた事件。

きょうの賢人、東京電機大学の八槇博史(やまきひろふみ)准教授は「ドローンを使った世界初のテロ」だといいます。

ドローンには美しい映像だけでなく防犯や災害時にも活用が見込まれることや、無人配達などの物流面で活用が広がることなど、未来への可能性があります。

一方で、ドローンが普及することで懸念されるリスクもあります。ドローンによる事故は増加しており、犯罪に使われる恐れも。それは日本に限らず外国でも同じ状況だということです。

日本で法規制が整備される前に起きた今回の事故は、想定外のものだったと八槇氏は解説しました。

今夏整備される見通しの新たな規定にはどのようにあるべきでしょうか。
正しく使いたい人が正しく使えるようになるための、新たなルール作りが必要です。

  • 2015年4月22日(水)
  • アジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年首脳会議

きょう、安倍首相はインドネシア・ジャカルタで開かれたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年首脳会議に出席、世界中が注目していたスピーチを行いました。

そのスピーチについてフジテレビ石原政治部長は、安倍首相も発表する予定の、村山首相以降10年ごとに総理大臣が発表してきた日本の過去の戦争に対する見解をしめす談話のベースになるものと解説。

これまで、戦後50年の村山談話、戦後60年の小泉談話は、「植民地支配と侵略」や「痛切な反省と心からのお詫び」などの文言が盛り込まれていました。

これに対し、安倍首相は同じ文言は談話に盛り込まない方針を示していたため、今回のアジア・アフリカ会議の会場でどういう表現でスピーチをするのかが注目されていました。

結果は、60年前のバンドン会議で採択された「バンドン10原則」から「侵略」というキーワードを引用した上で「反省」に言及するという形でまとめられました。

このスピーチを中国は受け入れる形で、会場で安倍首相と習近平主席の2回目の日中首脳会談が実現しました。

【ふかぼり】では、今後、70年談話に向けてどういった調整が進むのか、世耕官房副長官が出演して語りました。

  • 2015年4月21日(火)
  • TPP 日米閣僚協議

おとといからTPPの日米閣僚協議が行われました。合意には至らなかったものの、
きょうも未明まで協議が続けられるなど、今までと違う本気度がうかがえる両国。

その背景にはアジアの成長を取り込もうとする中国の存在がありました。

任期中にTPP交渉を決着させたいオバマ大統領と、成長戦略の大きな柱の1つとしてTPP合意をとりつけたい安倍総理。

今回の協議で、残る大きな争点がコメと自動車の関税まで絞られましたが、TPA法案の成立、つまり米議会がオバマ大統領が進める交渉の合意に口出しができなくなると、日本を含めたTPP参加国も交渉が一気に進むとみずほ総研の菅原淳一氏は解説しました。

  • 2015年4月20日(月)
  • 三浦知良選手

サッカーJ2 横浜FCに所属している三浦知良選手48歳。
その “キングカズ” に対して、先日とある番組で球界のご意見番・張本勲さんが “引退勧告” 発言をしました。きょうはその発言をめぐるニュースを「ふかぼり」!

『 “カズ” 最年長ゴール更新 スターの引き際はいつ?』
教えてくれた賢人はコメンテーターの永島昭浩さん。カズが日本代表に初選出された時に同部屋だったという永島さんが、25年来の友人、カズの “引き際” を徹底解説。そこには “ピッチに立つ努力” “自己分析” など48歳でいまだ進化し続けるカズの努力が。

永島さんは、カズの心技体のうち「心」と「技」の充実ぶりを強調、「体」の限界まで現役を続けるとの見方でした。

  • 2015年4月17日(金)
  • コミュニティーサイト

去年1年間で、コミュニティーサイトがきっかけで性犯罪などの被害にあった子どもが過去最多になったと警察庁が発表しました。

コミュニティーサイトに精通し、警察庁をはじめとした様々な研究会にも参加する千葉大学教育学部藤川大祐(ふじかわ・だいすけ)教授にどうすれば子どもを守れるのか、ききました。

コミュニティーサイトとは、「異性との交際」が目的の出会い系サイトとは違い、同じ趣味などを持った会員同士の交流を目的としたサイト、TwitterやFacebookなどのSNS、LINEやカカオトークなどの無料通信アプリが含まれます。

今、LINEなどのID交換が被害者増加の大きな要因になっています。
ネット上の「ID交換掲示板」にIDを書き込んでおくと、見ず知らずの相手が閲覧し、相手から直接連絡が入ってくるのです。 つまり、この掲示板が出会い系サイトと同様の役割になり、犯罪の温床となっているのが現状です。

ID交換掲示板を利用する子どもは、もちろんお金目当てというのもありますが、日常生活に不満があったり寂しさから利用してしまうケースが多いといいます。

学校では “情報モラル教育” が行われ、事業者も “18歳未満のID検索制限”、警察でも “サイバー補導” を行っています。 しかし、犯罪に巻き込まれた子どもたちの保護者の53.8%がサイト利用について注意をしていないのです。

では、どうすればいいのでしょうか?
まず、子どもたちの日常生活の不満やさみしさを取り除く努力をすること。
そして、最新の知識を持った地域ごとの指導者のサポートが必要だということでした。

  • 2015年4月16日(木)
  • セウォル号沈没事故から1年

セウォル号沈没事故から1年。
きょう、韓国各地126か所で行われている追悼行事には出席せず、パク・クネ大統領は南米4か国の歴訪へ出発しました。

船体の引き揚げ時期は未定、賠償への不満や事故の真相究明も進まないことなどから、遺族の不信感が募る中での歴訪に疑問の声が上がっています。
かつては米中との外交を重視し、最高67%という高い支持率を誇っていた政権も、セウォル号の事故の際に遺族と対立した影響で、支持率は急落しました。

さらに近年は、中国が指導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)への参加など、アメリカよりも中国へと舵を切りはじめた韓国。
そんな中、産経新聞前ソウル支局長への出国禁止が解除されるなど、バッシングを続けていた日本への態度に変化のきざしとも取れる動きも。

今後の日韓関係はどうなるのでしょうか?日韓首脳会談が行われる可能性は?
北東アジアの国際関係と安全保障が専門の拓殖大学 武貞秀士さんは「戦後70年談話が出るまでは日韓首脳会談はない」と指摘しています。

  • 2015年4月15日(水)
  • 安全保障法制の整備

法制化に向けて本格的な与党協議が始まった「安全保障法制の整備」。
その焦点となるのが、自衛隊の海外派遣を拡大するための法改正です。

今年夏の国会での成立に向けて来月半ばには閣議決定される予定ですが、与党内でも自民党・公明党で対立構図があります。
特に「特別措置法」の代わりに恒久法を新しく設立する方向で話し合われている「国際平和支援法」については、その運用方法について議論が分かれています。
自衛隊の派遣にあたり「事前の国会承認が必要」とする公明党と、「事後承認」でもよいとする自民党。
こうした意見の相違の背景には、来年夏の参議院選以降に「憲法改正」に向けて動き出したい安倍総理と、支持母体である創価学会の婦人部など “自衛隊の派遣に慎重な” 支持層をしっかり取り込みたい公明党といったそれぞれの思惑があるとみられます。
そのような背景で協議が進むことで、国民にとってはわかりにくい「玉虫色の表現」を含んだ法案が国会に提出されるのではないかと、“賢人” 政治アナリストの伊藤惇夫氏は指摘しました。

  • 2015年4月14日(火)
  • 山手線内 支柱倒壊事故

山手線内で起きた支柱倒壊事故はなぜ防げなかったのでしょうか?
そこには、JRの支柱の傾きを認識していながら「三度の見逃し」という事実がありました。

きょうの “賢人”、鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは、傾きを確認した時点で何らかの対策を行うべきだったといいます。

さらに、今回の事故は、首都圏全体の鉄道網に関わる問題だとしています。

そのキーワードは、「過密」です。

駅の利用者数、首都圏に乗り入れする電車の本数、ダイヤの間隔などでまさに日中の線路にはスキがない場所も。メンテナンスができるのは夜中の実質2時間程度、日中は平行して走る車両と車両の間が狭く、人が入っての確認作業もできないところもあるのです。

便利になる一方でメンテナンスが疎かになってしまう危険性。
そのバランスをどう維持していくのかが、今後の課題だと指摘しました。

  • 2015年4月13日(月)
  • アメリカ・キューバの首脳会談

11日にパナマで行われたアメリカ・キューバの首脳会談。
オバマ大統領は「これは歴史的な会談だ」としましたが、実はアメリカ・キューバの首脳会談は59年ぶりに行われました。

なぜ今のタイミングで首脳会談を行ったのでしょうか?
ジェトロでキューバ研究を行っている山岡加奈子氏は、両国にはそれぞれの思惑があると指摘しました。

キューバはソ連崩壊後、ベネズエラから経済支援を受けていましたが、2013年に友好関係にあったチャベス大統領が死去。さらにベネズエラが社会経済の困難に見舞われているという情勢を見極め、自国の経済体制を維持するために今回の正常化に踏み切ったといいます。

そしてアメリカはキューバを訪れ、支援などを行う中国・ロシアへのけん制ができます。さらにオバマ大統領にとっては、国交正常化を行い経済制裁をやめるという大英断を行って、業績を作りたいという思惑があるということです。

正常化に向けて動き出した両国。しかし、山岡さんはまだまだ課題が多いと語りました。

  • 2015年4月9日(木)
  • 日本の保護観察制度

群馬・高崎市で発生した、女性が連続で硫酸をかけられた事件。そのうち、1件の犯行が疑われ逮捕された北村容疑者は、前科があり「保護観察中」の身でした。なぜ、保護観察中なのに再び事件を起こしたのでしょうか?犯罪心理学に詳しい専門家は、性的欲求を満たすための犯罪であることは間違いないといいます。

そこには、日本の保護観察制度のほころびが隠されていました。現役の保護司・上原章氏によると、保護観察を担当する保護司の仕事は、現在は複雑な性犯罪が増えるなど、専門的知識のない保護司には手におえない事件も増えているとのことです。

さらに、上原氏は高齢化や人手不足に加え、自宅に保護観察対象者を呼んで面接をしなければならないことから事件に巻き込まれるといったケースもあることから、保護司のなり手が少なくなっており、システム全体の改善が急務となっていると指摘しました。

  • 2015年4月8日(水)
  • LCC専用ターミナル 成田空港に開業

きょう成田空港に開業した低価格のLCC専用「第3旅客ターミナル」。
搭乗エリアへ向かうブリッジには空調を省くなどの徹底的なコストカットで、施設サービス料や運賃も低く抑えることができています。

しかし、LCCはパイロット不足などの問題を抱えています。
その対策について交通政策に精通する早稲田大学の戸崎肇教授に聞きました。
パイロット不足には採用や昇格で厳格な審査を維持しながら急成長に耐えられる人材確保の体制を作ること、そして従業員の満足度を上げることが課題。
コストの低下によって利用者が増えることで経営が安定すれば、浮いた分を安全性の向上や整備、人材の拡充にあてることができるということです。

  • 2015年4月7日(火)
  • 天皇、皇后両陛下 パラオご訪問

明日、パラオをご訪問される天皇、皇后両陛下。
10年前のサイパンに続いて2回目の海外への “慰霊の旅” となるパラオは親日国として知られていますが、太平洋戦争時に多くの日本兵が亡くなった場所でもあります。

皇室担当の宮崎千歳記者によると、宿泊場所は海上保安庁の巡視船、現地での移動手段はヘリコプターと、80歳を超える両陛下には決して良いとは言えない条件のなかでパラオご訪問を決められたのは、戦争を風化させずのちの世代に伝えていくことが「生涯をかけたおつとめ」であるとの陛下ご自身のお考えがあるため、とのことでした。

  • 2015年4月6日(月)
  • 上西小百合議員 除名処分

「ウイルス性胃腸炎」の診断書が出ていたにもかかわらず、夜に3軒の飲食店を回り、翌日の予算案採決の衆議院本会議を欠席するなどした上西小百合議員を維新の党は除名処分にしました。

なぜ問題発覚から短期間で維新の党として最も重い「除名」処分となったのか、理由を日本大学法学部の岩井奉信(ともあき)教授に聞きました。
岩井教授は、橋下氏が政治生命をかける「大阪都構想」を実現する正念場のいま、上西氏の問題を早く取り除いておきたかったと指摘しました。

  • 2015年4月3日(金)
  • 佳子さま ICU入学

国際基督教大学「ICU」の入学式に出席された佳子さま。
ICUは東京・三鷹市にあるキリスト教の精神に基づく総合大学で、姉の眞子さまも通われていました。

佳子さまは、さまざまな分野を幅広く学べる点と、授業がほとんど英語で行われるなど英語教育が充実していることからICUへの進学を希望されていました。
学校生活では、眞子さまのように電車とバスを乗り継いでの通学をされるとみられています。
さらに、眞子さまはスキー部に入られていましたが、佳子さまは幼少のころからフィギュアスケートをされていたこともあり、ダンスのクラブに入られるのでは、との見方もあります。

  • 2015年4月1日(水)
  • AIIB(アジアインフラ投資銀行)

昨日、参加表明国の〆切を迎えたAIIB(アジアインフラ投資銀行)。
「ふかぼり」では、たった一か月で飛躍的に参加表明国の数を伸ばした中国のしたたかな外交戦略に注目しました。

中国の情勢に詳しい専門家・遠藤誉さんによると、G7の取り崩しを狙った中国側が、弱みを握っていたイギリスを参加表明に引き込むことに成功しました。
その結果、G7のうち4カ国が参加を表明したのです。今後も中国の動きに注目が集まります。

  • 2015年3月30日(月)
  • ドイツ機墜落

今回のドイツ機墜落で、機長が副操縦士によってコックピットから閉め出されたことによりパイロットが一人になることの危険性が明らかになりました。

航空評論家の秀島一生氏によると、安全確保のため、パイロットの3人体制が理想的だということです。
しかし、その背景には人材不足の壁があり、それを克服するには若いパイロットの育成が急務と指摘しました。