青々とした田んぼが広がる中、まっすぐに伸びた畦道を家族と一緒に散歩している一匹のわんこ。実は、このわんこは先代のわんこの遺志を継いで家族を見守り続けているわんこなんです。
鹿児島県の南。人口およそ3万3千人の大隈諸島のひとつの種子島。年間の平均気温はおよそ19度。エメラルドグリーンの海、白い砂浜、マングローブの森もある自然豊かな南の島。
この島で、家族と一緒に暮らしている一匹のわんこがいます。名前は「サニー」。奥さんの真知子さんと、娘の茉花ちゃん。そして次女の菜摘ちゃんとご主人の4人家族。
「サニー」はご主人のふたりの娘、茉花ちゃんと菜摘ちゃんにとって心置きなく甘えられるお兄さんも同然の存在です。そんな「サニー」がこの家にやって来たのには特別な訳がありました。
千葉県で暮らし、奥さんと一緒にこの島にやって来た先代の「サン」は奥さんとご主人の結婚式にも参列したわんこ。この「サン」がある日、事故に遭ってしまったんです。
その「サン」が亡くなって数ヵ月後に生まれたのが「サニー」でした。「サン」の後を継いで生後2ヵ月でやって来た「サニー」。先代の「サン」にちなんで「サニー」と名付けられました。
そんな「サニー」の一日はあたりがまだ暗い早朝の5時から始まります。今日も暗いうちからご主人と一緒に朝の散歩。「サニー」は車に乗ってある場所へ向かいます。
やって来た所は、車で5分程の所にある海が見下ろせる高台。そう、「サニー」とご主人は水平線から昇る朝日を眺めるために毎朝、ここに来ているんです。
そして何と!今日は輝く朝日に加えて七色の虹が!朝日を浴びながら海岸を散歩。今日も太陽が輝く中、「サニー」の一日が始まります。
「サニー」のご主人はカフェのあるサーフショップを経営。「サニー」は、毎日ここで看板犬をしているんです。
「サニー」のもとによくやってくるのが、友達わんこの「クロベエ」。お店が開店する前に500坪の広い敷地の中で思いっきり遊ぶのも「サニー」の朝の日課です。
そろそろお店を開ける時間。お客さんを迎える奥さんに代わって、開店と同時に次々とやって来るお客さん達を出迎えるのが「サニー」の仕事。「サニー」会いたさにお店にやって来る人がいるほどの人気者です。
そしてお店が閉まり、夕方の5時になると…5時を知らせる町のサイレンが鳴り出し、のんびりとしていた「サニー」は飛び起きて遠吠えを始めます。実は、夕方の5時は保育園に行っている娘さん達を迎えに行く時間。
「サニー」は町のサイレンが鳴ると同時に遠吠えをして奥さんに迎えの時間になったことを知らせているんです。娘さん達を迎えに行くのは「サニー」の大切な日課です。
お店がお休みの日になると、「サニー」にはちょっとした楽しみがあります。それは、大好きなわんこ「ひめ」と一緒に海へデートをしにいくこと。今日もまったく人がいないドッグ・アイランドと呼ばれているとっておきの場所でデート。
「ひめ」や茉花ちゃん達と一緒に海水浴を楽しみます。デートが終わると、今度はご主人達のいる海岸へ。実は、今日はご主人が島の子供達にサーフィンを教える日。「サニー」はその様子を見に来たんです。
今日はなんと、「サニー」も生まれて初めて本格的にサーフィンに挑戦!何とかボードの上に立って波に乗ろうと頑張ってみましたが、一回目は失敗…。でも、2度目はご主人にサポートしてもらって見事、初サーフィンに成功です!
これからも先代「サン」の想いを受け継いで、ご主人一家のことを見守っていこうと思っている「サニー」なのでした。