きょうのわんこスペシャル
『被災地のわんこたち〜はじまりの3・11〜』
 
 
わんこSP 写真1
チョコマロ オス 1才6ヵ月
(雑種)
りん メス 12才
(雑種)
 
 
わんこSP 写真2

多くの人の命と生活を奪って行った東日本大震災。あれからもうすぐ1年。被災地で暮らしていたわんこ達はどうしているのでしょう?
およそ1年ぶりに被災地のわんこ達に会いに行きました。

地震と津波で壊滅的な被害を受けた岩手県・陸前高田市。
避難所だった中学校で出会ったのが「チョコマロ」。
70才を過ぎた夫婦と一緒に命からがら生き延びたわんこでした。

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あれからおよそ1年。「チョコマロ」とご主人夫婦はどうしているのか、当時避難場所だった陸前高田の中学校を訪ねてみると、校庭には所狭しと建ち並んだ仮設住宅。
そこには「チョコマロ」とご主人夫婦の姿はなく、去年の5月、盛岡市に引っ越して行ったということが分かりました。

実は、「チョコマロ」のご主人は震災の前から喉頭ガンを患っていて、その治療を続けるために陸前高田市を離れ、盛岡市に引っ越してきたのでした。
そして、「チョコマロ」と一緒に暮らすための環境を何とかしたいと考えご主人夫婦は故郷を離れここに引っ越す決意をしたのです。

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幸いにもご主人夫婦と一緒に広い庭付きの借家に引っ越すことができた「チョコマロ」は雪の積もった庭先で元気いっぱい。
ご主人の治療も順調に進んでいます。けれども、ここは仮の住まい。
「チョコマロ」にとってもご主人夫婦にとっても、陸前高田市が本来の住まいなのです。

この1年で市街地のガレキは撤去されましたが、いまだ大量のガレキが積み上がったまま。
「チョコマロ」が暮らしていた家はもう跡形もありません。
それでも、ご主人達の心の中には故郷への強い想いがあります。

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2年間は国の補助で家賃が免除されていますが、その後の生活はどうなるのか?将来の不安を抱えながら暮らすご主人夫婦をいつもそばで支えている「チョコマロ」。

いつの日か必ず故郷に帰る。その強い気持ちを胸に前を向いてご主人夫婦と共に生きている「チョコマロ」なのでした。

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2009年1月。『きょうのわんこ』で宮城県・亘理町で暮らす一匹のわんこを紹介しました。名前は「りん」。

荷物の中に入っているプチプチをつぶすのが大好きなわんこでした。
震災後、心配になって会いに行くと、「りん」はご主人と一緒に娘さんの嫁ぎ先、宮城県・名取市の家に避難していました。

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「りん」はご主人と一緒に逃げ込んだ建物の中で津波に飲まれ、必死に泳いで生き延びたのです。時計はその時から止まったまま。
津波に飲み込まれた我が家。家の形は残っていても、住める状態ではありませんでした。

あれからおよそ1年。再び訪れた宮城県名取市にはいまだ生々しい津波の爪痕が残っていました。

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「りん」は1年前と同じ、避難先の家で暮らしていました。
ご主人夫婦は去年の4月上旬に近くのアパートに引っ越した為、一緒に暮らすことができないので離れ離れの生活です。

「りん」は震災の当時、まだ首も座ってない生後1ヶ月で冷たい海の水に浸かって生き延びたご主人の孫、聖海くんを見守りながらこの家で静かな毎日を送って来ました。

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今「りん」の一番の楽しみは週に一度、離れて暮らすご主人が会いに来てくれること。「りん」の表情が一変します。
久しぶりにご主人の車に乗りあの家に向かいました。
しばらく走ると、「りん」が急に鳴き始めました。

そう!やってきた所は、この一年ですっかりガレキが撤去された宮城県・亘理町。車を降り「りん」は自分の家へと走りました。

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ガレキは片付きましたがここに戻れるメドはたっていません。
「りん」に少しでも元気になってもらおうと、スタッフがプチプチをあげると…
夢中になってつぶし始めました。

春の日差しの中、今日も一緒に生き延びた聖海くんとのんびり散歩をする「りん」。助かった命で精一杯生きていればいつの日か必ずご主人と一緒に暮らせる日が来る。未来への希望を胸に頑張っている「りん」なのでした。

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