大きな被害をもたらした東日本大震災から間もなく4ヵ月。被災地では今、多くのわんこ達がご主人と離ればなれになりながらも助かった命で、明日へと向かって進もうとしています。
田植え作業がようやく終わった宮城県仙台市・若林区。この街のとあるお宅の軒先に一匹のわんこがいます。名前は「こまち」。推定14才のおばあちゃんわんこです。
実は、「こまち」は地震と津波で壊滅的な被害を受けた仙台市宮城野区の蒲生でご主人と離ればなれになり保護されたわんこ。
その後、仙台動物管理センターに身を寄せ、新しい飼い主を探しましたが、見つかりませんでした。なぜなら「こまち」は両目の視力を失ったわんこだったからです。
そんな「こまち」に救いの手を差し伸べたのがなんとか津波の被害を免れた菅田さん一家でした。
高速道路一本を隔てて、生死が分かれた津波の被害。ご夫婦ともにもと自衛官の菅田さん一家は助かった自分たちに何ができるかを考えました。
管理センターの譲渡会で目の不自由な「こまち」をどうしても家に連れて帰りたい、と言い出したのは次男の博文くんでした。
目の不自由な「こまち」を引き取りたい、そう言った博文君は、この先「こまち」の本当の飼い主が現れたら「こまち」を返すという約束で引き取りました。今では大切な家族の一員として暮らしています。
来た当初はおびえていましたが、今は見違えるほど元気になりました。「こまち」は今日も前へ前へと進みます。
3月11日の地震と津波で大きな被害が出た宮城県・南三陸町では、多くの人たちが避難所での暮らしを余儀なくされています。
そんな避難所の隣にある被災者の救援活動を行っている自衛隊の詰め所に一匹のわんこが身を寄せています。
名前は「マロン」。この避難所から別の場所に避難した前の飼い主のもとから今の新しいご主人のもとにやってきましたが、そのご主人もいまだ避難所暮らし。
一緒には暮らせないので、「マロン」は自衛隊にお世話になっているんです。もとの飼い主は犬を飼えない場所に避難せざるを得なくなり、後藤さんに「マロン」を託していったのです。
「マロン」は自衛隊の隊長のはからいで、ここでお世話になっています。日々の活動で疲れた体や心をなごます存在として隊員の人達の心の支えになっているんです。
今ではみんなのアイドル的存在です。朝4時。被災者の人達がまだ寝ているうちから自衛隊の人達の朝の炊き出しの作業が始まります。実は、「マロン」はこの炊き出しの手伝いをしているんです。
自衛隊の人達が炊きたてのご飯を乗せた台車を押してくると・・・ そう、「マロン」はその台車を数百メートル離れた避難所まで引っ張って運んでいるんです。
これは「マロン」なりの自衛隊の人達への恩返し。 仮設住宅に帰り一緒に暮らせる日を夢見て頑張って生きている「マロン」。
大震災で失われかけた命は希望の明日へとつながっているのでした。