家族と一緒に潮風に吹かれながら散歩を楽しむ一匹のわんこ。13年前、命懸けでご主人の後を追いかけなかったら、今こうしてこの島で夏を迎えることは出来なかったかもしれません。
沖縄県本島の南に位置する石垣島。どこまでも続く青い空と蒼い海。そして南国ならではの大自然。
そんな石垣島の海沿いにある一軒のお宅。ここで、ご主人夫婦とふたりの子供達の4人家族と一緒に暮らしているのが、「タイタイ」。13才のおばあちゃんわんこです。
ご主人の子供達をいつも優しく見守る「タイタイ」が家族の一員になったのには、訳がありました。「タイタイ」は必死で助けを求めていたのです。「タイタイ」は今では大切な家族です。
そんな「タイタイ」の一日は朝早くから今朝もご主人と一緒に車に乗り込んで早速、仕事へ。実は、「タイタイ」は7年前にご主人がオープンしたダイビングショップの看板犬。
港にやって来るとご主人の船に飛び乗ってお客さんを迎える準備が整うまでデッキでのんびりと海を眺めます。
そして、お客さん達がやって来ると先頭を歩いてみんなを船までご案内。「タイタイ」はもう6年間もこうやってご主人と一緒に船に乗ってお客さん達を沖縄の海へと案内しているんです。
蒼い海を進むことおよそ20分。やって来たのは、珊瑚礁に囲まれたシュノーケリングに絶好のポイント。
「タイタイ」は13才のおばあちゃんとは言っても海に囲まれた島育ちのわんこ。今日も救命胴衣を着けて浮き輪を船代わりに海へと繰り出します。
足元に広がるのは色とりどりの熱帯魚たちが泳ぐ南国の海。今日も海の中の景色にウットリ。仕事を忘れしばし自然の美しさに酔いしれるひとときです。
次に向かった場所はお客さん達がとても楽しみにしているある魚が見られる場所。その魚とは…オニイトマキエイ。通称マンタ。 「タイタイ」を乗せた浮き輪の下をなかなか出会うことができない3匹の大きなマンタが優雅に泳いでいるんです。
そして、最後に向かったのが「タイタイ」が大好きな幻の島と言われている浜島。潮が引いた時だけ姿を現す島で上陸できる時間はわずか40分ほど。
「タイタイ」はほんのわずかの時間しかいられない浜島で自分の周りに360度広がる海を眺めるのが大好き。捨てられて命を落としそうだった子犬の頃、必死でご主人の後を追いかけていなかったら今こうしてこの景色を眺める事もできなかったでしょう。
もちろん看板犬としての仕事も忘れてはいません。
浅瀬が続く浜島の透き通るような青い海で大好きな泳ぎを楽しむ「タイタイ」。
お客さん達と一緒に海で遊んだり、時にはこんな事も。 日本全国から訪れるお客さん達の夏の思い出作りに一役買っているんです。
13年前にご主人の優しさでつなぎ止めた大切な命。今は看板犬として、一生懸命恩返しをしている「タイタイ」なのでした。