スタッフが向かった先はまだ雪の残る福井県・大野市。 ここの上庄中学校という学校の校舎の隅に一匹のわんこがいます。
名前は「シロ」。 この中学校で暮らしているわんこです。
もともとは時々、学校に姿を現す迷い犬でしたが、7年ほど前、交通事故で足が不自由になっても学校に来ていたのを見かねて当時、野球部の顧問だった先生が生徒たちと一緒に校長先生に掛け合って「シロ」を学校で保護することにしたんです。
そして、「シロ」を保護したのと同時に生徒達が話し合って立ち上げたのが『シロ・ボランティア』。 「シロ」の面倒をみたいという生徒達が集まり、当番制で世話をすることにしたんです。
毎朝、その日の当番の生徒がやって来るとまずは朝の散歩へ。 この季節、まだ雪の残る校内を一周するのが「シロ」の楽しみのひとつです。
全校生徒131人のこの学校で最初は2人だけだった『シロ・ボランティア』も今は16人。
休み時間になると、「シロ」は校内いちの人気者。
昼休みになると、「シロ」はある場所へとまっしぐら。 そこは、給食室の裏口。 残った給食を少しだけ分けてもらうのが毎日の楽しみなんです。
授業が終わると、「シロ」は野村先生と一緒に野球部の部活へ。 野球部の部員たちも代々、『シロ・ボランティア』として「シロ」のことを支えてきてくれた生徒達です。
部活が終わると「シロ」の一日も終わります。
『シロ・ボランティア』に休みの日はありません。
週末になると来てくれるのが、6年もの間中学三年生の妹と卒業してからも面倒を見てくれているお姉さんの2人。
家族同然に「シロ」を支える『シロ・ボランティア』の活動は今年2月、市から表彰され、地元の新聞でも紹介されました。
ようやく雪が溶け出した3月14日。 今年も卒業式の日がやって来ました。
「シロ」にとっては家族である生徒達を送り出す7回目の卒業式。
今年は特別に校舎の中に入れてもらって生徒達を見送ります。
いつもそばにいてくれた生徒達。
みんなへの感謝の気持ちは「シロ」も同じ。
これからもみんなからもらったたくさんの優しさを胸に生きていこうと思う「シロ」なのでした。
春爛漫の穏やかな日差しの中、ご主人と散歩を楽しんでいる一匹のわんこ。 これが、「マロン」です。
実は、「マロン」はちょっと臆病なわんこ。 体が弱く1才になるまで毎週大嫌いな病院通いをしていたせいか、獣医さんは勿論、よその人やわんこと会う家の外が苦手。
そんなマロンが好きなのは・・・ 奥さん「はい、マロン、いいよ、はい、入って」 そう、段ボールの中。
狭い場所に入っている時が一番安心していられる「マロン」なのでした。