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瀬戸内海に面した香川県丸亀市。
この街に、決して優等生ではないけれども
街の人たちから愛されている一匹のわんこ。
この春も、大きな目標に向けて日々、頑張る彼女の姿を追いました。 |
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そのわんこが暮らしているのは丸亀市にある警察犬訓練所。
たくさんのわんこ達と共にここで暮らしているのが「きな子」です。 |
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2003年の5月にこの訓練所で生まれたわんこで、毛の色が「きな粉色」だったので「きな子」という名前が付きました。 |
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そんな「きな子」は、毎日、厳しい訓練に励む見習いの警察犬。
パートナーは見習い訓練士の川西さん。
見習い訓練士・川西さん「きなちゃん、おはよう」
「きな子」と川西さんはお互い見習いの身として頑張る良きパートナーです。 |
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「きな子」の一日は先輩わんこと一緒に車に乗り込み近くの河川敷に訓練をしに向かうことから始まります。
元々、警察犬として生まれたわけではないきな子は川西さんと出会って2年前から「臭気選別」という遺留品の臭いを嗅ぎ分ける訓練です。 |
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川西さん「伏せ」
まずは、お手本となる先輩わんこの訓練の様子をじっと見守る「きな子」。 |
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自分の嗅覚を頼りにわずかな臭いの違いを瞬時に嗅ぎ分け迷うことなく指定された臭いの布を持ち帰る先輩わんこ。
これこそまさに「きな子」が目指す警察犬の姿です。 |
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今度はいよいよ「きな子」の番。
警察犬の試験の時は5種類の臭いの中から嗅ぎ分けますが、訓練の時はこれよりも多い9種類の中から指示された臭いを嗅ぎ分けなければなりません。
川西さん「捜せ!」 |
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微妙な臭いの違いになかなか選び出すことができない「きな子」。
川西さん「捜せ!」
「捜せ!」と言われるほどに焦ってしまいます。
川西さん「捜せ!」
あまりにも時間がかかってしまい、先輩わんこもちょっと心配顔。
それでも、「きな子」はくじけることなく毎日、この臭気選別の訓練を続けているんです。 |
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そんな「きな子」はちょっとした有名わんこ。
去年、警察犬選考会で太めがたたって不合格になりながらも頑張る姿が大きな写真付きで地元新聞を始め各紙に載り、全国的に知られたからなんです。 |
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川西さん「きな子、きな子!」
これまでに受けた2度の試験はいずれも不合格。
それでも、訓練士の川西さんと頑張り続ける「きな子」。
訓練が終わった後のボール遊びは唯一ホッとできる時間です。 |
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川西さんインタビュー
「私自身もきな子のことが分かってきた部分もあって、お互いの気持ちというか、リズムが合う時はものすごくいい形で結果が出るんですけれども、本当に一緒に頑張っていけたらいいと思っているんで、仲間というより家族とか妹みたいな感じでやっています。」 |
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そんな「きな子」のことを影ながら応援しているのが、同じ敷地の中で暮らしているお母さんわんこの「キティー」。そして、おばあちゃんの「ミルキー」。
2匹ともごく普通のわんこ。
家族の中で、厳しい警察犬の道を目指しているのは「きな子」だけなんです。 |
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今日はいつもの訓練はお休みです。
車に乗り込みおよそ1時間半かけて向かった先瀬戸大橋を渡った所にある岡山県。
実は今日の主役は「きな子」。
すっかり人気者になった「きな子」はさまざまな場所に招待され日頃の訓練の成果を披露しているんです。 |
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川西さん「はい、ありがとう」
いつもと違った環境で精神面をきたえ試験本番にも生かそうと、「きな子」はいつも真剣そのもの。 |
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お披露目が終わった後は応援しに来てくれた人たちとふれあいながら記念撮影。
これまでに様々な施設に招待され、多くの人たちに励まされている「きな子」ですが、警察犬への道のりはそう甘いものではありません。 |
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警察犬訓練所・亀山所長インタビュー
「態度とか精神面とかそういうものがやっぱりいつもの練習のような形になっていない。それをうまく克服すれば合格しないとは思いませんけどね」 |
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今年11月にも警察犬の試験に再び挑戦する「きな子」。
大勢の人からもらった暖かい応援の言葉を胸に立派な警察犬になろうと思う「きな子」なのでした。 |
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