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雪に覆われた広大な原野が広がる北海道・幌延町。
この町に牛たちとともに暖かい春の訪れを心待ちにしている、一匹のわんこがいます。 |
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雪の中にたたずむとあるお宅。
玄関でまだウトウトと眠っているのが、「おたま」。
近くの農家で生まれて生後2ヶ月でこの家にやって来たわんこです。
奥さん「おたま、おはよう」
ご主人「今日も頑張ろうな」 |
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奥さん「今日も働くよ」
「おたま」の一日が始まるのはまだ夜も明けない午前4時半。
実は、「おたま」の家は140頭もの乳牛を扱っている酪農一家。
この時間から働くのが当然の毎日なんです。 |
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ご主人「はい」
「おたま」の朝一番の仕事は牛舎の見回り。
厳しい寒さの中、食料を求めてテンやキツネといった野生動物が牛舎に入り込んでくることがあるんです。 |
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そして、見回りを終えるとテン…。
奥さん「お帰り」
吠えて知らせて牛舎の中へ。 |
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牛舎の中ではご主人と奥さんがお乳を搾る作業の真っ最中。
「おたま」は牛たちに朝の挨拶をして周りながらいつも乳搾りの様子を見守っています。 |
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遠くから一番電車が走り去る音が聞こえてくると、外はようやく白々と夜が明け始める朝の6時半。
「おたま」はご主人と一緒に子牛たちの牛舎に移動。 |
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今度は食事の準備。
食欲のない牛がいないかどうか、ご主人と一緒に牛たちの様子を注意深く観察します。
最近生まれた子牛がちゃんとミルクを飲んでいるかどうかもしっかりチェック。 |
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そして、落ちつく間もなく今度は出産を控えた牛を別の牛舎へと移動させます。
元気な子牛の出産を願って見送る「おたま」
奥さん「おたま、いい子牛、産んでもらおうね」
夜明け前から続いた牛舎での仕事がようやく一段落するのは7時半頃。
絞りたての牛乳を持ってご主人たちと一緒に自宅へと戻ります。 |
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奥さん「おたま、ほれ、さっき搾ったミルクだよ、さっき搾ったやつ、はい、どうぞ」
その、絞りたての牛乳を真っ先に口にするのは「おたま」。ご主人たち、そして牛たちからの感謝の気持ちを込めた、ごほうびなんです。 |
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この季節、天気がいい日にご主人が持ち出してくるのが、そう、スノーモービル。
ご主人「おたまぁ〜、行くよ、おたま、行くよ、ほれ、おいで、はい」
ご主人の膝に飛び乗り、自宅裏の雪に覆われた放牧地へ。 |
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そして、途中で降りると、「おたま」は前を行くスノーモービルを追いかけ一面の雪の中を思いっきり走るんです。
忙しい仕事の合間の、つかの間の息抜きです。
ご主人「疲れたでしょ、おたま、おいで、アップ」
走り疲れると、再びご主人の膝に乗ってスノーモービルで走る爽快感を楽しみます。 |
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ご主人「おたま、あれ」
そして小高い丘の上から遠くに見えるのはこの時期、めったに拝むことのできない利尻山。
通称「利尻富士」。
あの山の雪が溶けはじめ、寒さに閉ざされた大地に春が訪れるのはもうしばらく先の事。 |
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緑の放牧地を牛たちと一緒に走る事が出来る春を楽しみにしている「おたま」。 |
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ご主人「おたま!」
今年生まれた子牛たちにも春のすばらしさを教えてあげようと思っている「おたま」なのでした。 |
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