-- 徳川綱吉 --
イヌと呼ばれた男
ものがたり
延宝8年5月。
四代将軍徳川家綱の死去に伴い、老中・堀田正俊(西村雅彦)は館林城主・徳川綱吉(草なぎ剛)に次将軍としての白羽の矢を立てる。儒学に傾倒し、館林の自然を愛する朴訥な綱吉はこれを固辞するが、やがて将軍の座へと祭り上げられてしまうことになる。
将軍となった綱吉は世の中をよくしようという意欲に燃えるが、政事の実権は堀田に握られており、綱吉はそのかいらいにすぎなかった。綱吉が大奥で見初め、側女とした松子(深田恭子)も、堀田が綱吉を骨抜きにしようと差し向けた女だった。
古くから綱吉に仕える柳沢吉保(田辺誠一)はそんな綱吉を不安を持って見守る。
やがて松子の告白により、自分が堀田に操られるかいらいにすぎないと気づいた綱吉は将軍の座を捨て、館林に逃げ帰ろうとする。そんな綱吉を柳沢は自らの命をもって止める。今の世の中を変え、よりよいものにできるのは綱吉だけなのだと柳沢は綱吉に訴える。
柳沢の訴えを聞き、綱吉は世の中を改革するという自分の使命に目覚める。堀田はそんな綱吉に脅威を覚え、綱吉の息子・徳松を暗殺する。その事実を知り、逆上した忠臣・稲葉は堀田を斬り、自らも命を落とす。この事件について、稲葉の忠義心を称える柳沢を綱吉はいさめる。稲葉は人を殺した罪人である、と。綱吉は、命の大切さと慈悲を説き、生類憐れみの令を次々と発布するが、周囲には理解されない。
そんな中、世に言う殿中松の廊下事件が勃発する。世の中は赤穂藩士の仇討ちを期待するが、綱吉は赤穂藩城代家老・大石内蔵助(堤真一)に無意味な殺生はやめろと諭す。
しかし、綱吉の願いも空しく、赤穂浪士は吉良を討つことになる。
宝永6年1月。綱吉は、民衆や周囲の多くの者に理解されないまま、その生涯を終える。綱吉の脳裏には将軍になって以来、二度とその土を踏むことのできなかった、懐かしい領地・館林の美しい風景がよぎっていた。
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