#208 庄内・下越 鶴岡
2007年10月9日O.A

■洋館に宿る武士道精神

藤沢周平の小説などでも知られる士道の都・鶴岡。この地には、明治時代に建てられた数々の洋館が残されていますが、どこか天守閣を思わす作りになっている物が多いのが特徴です。そんな鶴岡の洋館を手がけた棟梁が、高橋兼吉(かねきち)。腕っ節の強さと豪放磊落な人柄で、数々の逸話を残す人物です。そんな兼吉が、一生恩義を忘れなかったのが、庄内藩主であった酒井家の人々。彼らが家柄に左右されず抜擢してくれたのが、兼吉が棟梁になれたきっかけだからです。それゆえ藩主の遺徳を形にして残したいと願い、解体された鶴岡城の建材等を使って、天守閣風の洋館を作り続けたのです。それは兼吉なりの武士道精神の表れだったのかもしれません。今も鶴岡に残る兼吉の手がけた洋館には、時代に流されることなく生きた庄内男の魂が息づいてます。

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