#202 青森県弘前
2007年8月14日O.A
太宰が愛した風景「弘前」
人口17万の城下町、弘前。卍を市章に掲げるほど仏教色が強く、今でも昔ながらの街並を残すという一面もあれば、赴きある洋館なども市内に点在しています。またこの街で学生時代を過ごし、後に「走れメロス」「人間失格」などの代表作を残したのが文豪・太宰治です。太宰は弘前についてこのような名文を残しています。
「見よ、お城のすぐ下に私の今まで見たこともないような古雅な町が、何百年も昔のままの姿で小さい軒を並べ、息をひそめてひっそりとうづくまっているだ。ああ、こんなところにも町があった。年少の私は夢を見るような気持ちで溜息を漏らしたのである。万葉集などによく出てくる「隠沼」というような感じである。私は、なぜだか、その時、弘前を、津軽を、理解したような気がした。この町の在る限り、弘前は決して凡庸のまちではないと思った……。」
太宰は、弘前城からの町の眺めを「夢の町、古雅な町」と表現しています。
夢見るような気持ちで溜息を漏らした若き日の太宰が見た弘前の街を、一度は堪能してみてはいかがですか?そう、太宰の表現を借りれば弘前は「津軽の魂のよりどころ」なのだから…。
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