#200 青森県青森
2007年7月31日O.A
「伝説」と呼ばれた北川ねぶた
青森を代表する祭り・ねぶた。そんなねぶたの歴史で、特に秀でた才能を発揮した職人が、北川金三郎(きたがわ きんざぶろう)・啓三(けいぞう)氏です。1957(昭和32年)の夏祭り、そこで発表された父・金三郎の手がけたねぶたは、青森市民を大いに驚かせました。そのねぶたは、光源に当時希少だった蛍光灯をふんだんに使い、その明るさは無類のものだったそうです。さらに映画の画面にヒントを得たという、そのねぶたは従来の常識を覆し、横幅が広い斬新な形態を取り、人々の注目を集めました。また、父の才能を受け継いだのが息子・啓三です。12歳から父についてねぶたを学び、いつしか金三郎の片腕として次々とねぶたを制作。そして絶頂期には父のねぶたと比較され、どちらが優れているかが議論になるほどでした。以来、北川親子のねぶたが青森ねぶたのスタンダードとして定着。また晩年になっても尚ねぶたへの情熱は冷めず、既成の概念を乗り越える挑戦を続けていたそうです。伝統は挑み続けることでこそ守られる。そんな思いを北川親子は抱いていたのかもしれません。
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